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労務問題

パワーハラスメントについて弁護士が解説

パワーハラスメントについて弁護士が解説

1. ハラスメント問題への対応はなぜ必要か

ハラスメント問題への対応はなぜ必要か?

パワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます)が存在する場合、その職場の雰囲気が悪くなる、従業員の心の健康を害する及び従業員が十分に能力を発揮できなくなる等の様々な弊害が発生します。

そのため、従業員がその職務遂行能力を十分発揮して企業の業績を向上するため、そして、人手不足の今優秀な人材を企業に定着させるためにパワハラ対策が必要になります。

また、厚生労働省の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書において、パワハラの防止のため厚生労働省で所要の措置が講じられるのが適当であると提言され、その後、厚生労働省はパワハラ防止策づくりを企業に義務付ける法律を整備する検討に入っています。そのため、将来の法律に備えて、今から対策をする必要があります。

2. パワハラとは?

2-1. パワハラの定義について

パワハラという言葉について法律や裁判例において、明確に定義はされていません。

もっとも、2012年1月30日に厚生労働省より発表された「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」では、職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいうと定義されています。

2-2. 定義のポイント

同報告のパワハラの定義のポイントは、まず、「職場内での優位性」として、優位性について限定をしていない点です。すなわち、上司から部下へのいじめ・嫌がらせを指して使われる場合が多いですが、それ以外にも先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して行われるものや、人間関係や専門知識、経験などの様々な優位性が含まれることになります。

また、次に重要なのは「業務の適正な範囲」という文言です。この文言により、業務上の必要な指示や注意・指導を不満に感じたりする場合でも、業務上の適正な範囲で行われている場合には、パワハラにはあたらないということになります。

3. パワハラはどのような種類に分類されるか

パワハラの行為については、全てを網羅するものではありませんが、次のようなに分類できます。

  1. 暴行・傷害(身体的な攻撃)
  2. 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
  3. 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
  4. 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
  5. 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)
  6. 私的なことを過度に立ち入ること(個の侵害)

4. パワハラはどのように判断されるのか

パワハラにあたるかどうかは、当該労働者と同種の業務に従事し遂行することを許容できる程度の心身の健康状態にある「平均的労働者」を基準に判断すると考えられています。

実際に裁判例では、一般に、人に疲労や心理的負荷等が過度に蓄積した場合には、心身の健康を損なう危険があると考えられるから、他人に心理的負荷を過度に蓄積させるような行為は、原則として違法であり、その判断は、原則として、これを受ける者について平均的な心理的体制を有する者を基準として客観的に判断されるべきとしたものがあります。

5. パワハラが発生した場合の責任について

5-1. 加害者の責任

加害者の責任

まず、実際にパワハラを行った者は、被害者に対して不法行為責任を負うため、損害賠償請求を受けることになります。

そしてこの場合の損害としては、治療費、休業損害、退職による逸失利益、自殺に至った場合の逸失利益、慰謝料及び弁護士費用等が考えられます。

5-2. 使用者の責任

使用者の責任

次に、パワハラが従業員によるものである場合には、使用者は使用者責任により、被害者に対して損害賠償責任を負うことになります。

また、使用者は、労働契約上の付随義務として安全配慮義務を負っています。さらに、労働契約法5条では、使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする義務を負っています。

そのため、使用者が職場内でのパワハラを認識しながら何らの対応をしない場合には、使用者は、被害者に対して、これらの義務違反を理由に損害賠償責任を負うこともあります。

5-3. その他パワハラが生じた際の弊害

その他パワハラが生じた際の弊害

その他法律上の責任以外にも、パワハラの存在について報道等がなされた場合には、会社の評判が低下し、従業員の採用も困難になることが予想されます。特に、パワハラによって、従業員が自殺をしたとなればその影響は計り知れないものがあります。

そして、人手不足が問題となっている現代では、中小企業において、このような事態は企業の存亡に関わる問題といえます。

6. まとめ

企業においては、パワハラを予防することが重要であり、さらにパワハラが起きてしまった場合の対応も適切に行わなければなりません。当事務所では企業法務に特化した弁護士が在籍するため、是非パワハラについてご相談いただければと思います。

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