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民法改正(1) -消滅時効- 

企業法務

2015/01

森田博貴

弁護士の森田と申します。法令の改正情報のうち皆さまの生活やビジネスにおいて影響のあるものをピックアップし、情報提供させて頂くこととなりました。

初回のテーマは「民法改正」です。
民法とは、日々の生活やビジネスの基本的なルールを定める最重要法律ですが、条文数が多く複雑な問題も多数あるため「民法を征するものは司法試験を征する」とも言われております。そんな民法も本年、120年の歴史を経て、初の大改正に向けた国会審議が始まります。
今回は、皆様の生活に特に大きなインパクトを与えるであろう「債権の消滅時効」についてお伝えします。債権の消滅時効とは、一言でいえば、「お金の支払いなど他人に何かを求める権利が、一定の時間経過により行使できなくなってしまうこと」です。
不動産賃貸業や掛けで取引をされる方にとっては、より重要となりますので、ご一読頂ければ幸いです。

<重要な改正ポイント>
(1)時効期間の変更
これまで、債権の場合、「権利を行使できる時から」「10年間」(現行民法166条、同167条1項)経過した時点で時効となっていました。しかし、改正案では、この規定に加え「債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないとき」にも時効は完成するという新たな規定が加えられました。これにより、何が起こるかというと、今までよりも簡単に消滅時効が完成してしまうということです。

「下請法」とは、この「業務委託」に関する法律です。正式名称は、「下請代金支払遅延等防止法」です。名前だけ聞くと非常に難しい法律のようですが、簡単に言えば、各種業務委託契約において、親事業者がその地位を利用して下請いじめをすることを禁止する法律です。

例えば、AがBに対し、返済期限を1年後として100万円を貸したとします。1年後、運よくAが100万円のことを忘れていた場合、従来はその支払期限から10年間は時効が完成しなかったのですが、改正後は、5年間で時効が完成し、Bは晴れて100万円の返済を免れることになります。

なお、ご注意頂きたい点として、「債権者が権利を行使できることを知ったとき」の解釈です。前の例では、Aはお金を貸して1年経過時点で既にBにお金を貸したことを忘れており、「権利を行使できることを知らないのでは」と考える方もいると思います。しかしながら、Aは、お金を貸した時点でBと返済期限について合意していますので、1年後に100万円を返済するようBに求める権利があることは知っていたと扱われるのです。 要するに、権利の行使時期について当事者間に合意がある場合は、単にうっかり忘れているだけではやはり5年という短い時効期間に服することになる、ということです。

(2)職業別の短期消滅時効の廃止
もう一つ重要なのが、「職業別の短期消滅時効の廃止」です。現行民法は、上記の通常の時効期間とは別に、建設工事代金、医師の診察料、旅館の宿泊料など、一定の職業に関連して発生する権利について、特別に1~3年と短い時効期間を設定しています(短期消滅時効。現行民法170条から174条)。しかし、契約関係が複雑化する昨今において当該類型だけを区別する合理的理由は見出しがたく、今回の改正案において、短期消滅時効の制度が廃止されることとなりました。これにより、民法上の債権は、みな(1)で述べた一般原則通りの期間で統一されることになります。

次回からも日々の生活やビジネスの上で有益となる情報を発信して参りますので、どうぞ宜しくお願い致します。

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