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民法改正(3) -請負契約の重要改正点-

企業法務

2015/03

森田博貴

今月は、民法改正のうち請負契約の重要改正点を取り上げます。

1 請負契約の基本事項
請負契約とは、当事者の一方(請負人)が相手方に対して仕事の完成を約束し、他方(注文者)がこれに対する報酬を支払うことを約束する契約をいいます。例えば、工務店が施主から住宅の建築を依頼された場合や、WEBデザイナーがホームページの製作を依頼された場合が請負契約に当たります。工務店は、住宅の建築という仕事の完成の対価として、WEBデザイナーはホームページ制作という仕事の完成の対価として報酬を得ることができるからです。

2 重要改正点
(1)請負契約の重要改正点の一つが、上記工務店の例での『建築請負契約の解除』です。現行民法の635条には、「仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達することができないときは、注文者は、契約の解除をすることができる。ただし、建物その他の土地の工作物については、この限りではない」とありますが、この規定は、今回の改正によりまるまる削除されます。

(2)この条文の特徴は、後半(但書)部分にあります。仕事の目的物に瑕疵(俗に言う「ミス」)がある場合には契約を解除できるという原則を前半(本文)部分で謳う一方、その但書により、仕事の目的物が「土地の工作物」(建築物)の場合には、例外的に解除を認めないと定めているのです。

今回の改正で、同条が削除されることは既に述べたとおりですが、本文部分は他の条文によりカバーされるので特に変わりありません。変わるのは、但書です。
旧民法が、635条に但書という例外規定を設けた趣旨は、建築物が通常高額の資金を投じて建てられるところ、瑕疵があったからといって契約を解除して建築途中の建物を元に戻すことは社会経済上の損失になると考えられたからです。しかし、新民法では、このような全体の利益を理由に、利用価値の減殺された建物を注文者に押し付けるべきでないとの考えから、建築物であっても瑕疵がある限り解除できることを原則としたのです。

(3)言うまでもなく、軽微な瑕疵があるだけでは、解除はできませんので、結局、解除の可否は、瑕疵の重大性の判断によってきます。ただし、建築物でも例外なく解除できることを原則とした点で、建設業事業者のリスクは今後高まるものと言えるでしょう。

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