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民法改正(5) -保証(2)-

企業法務

2015/08

森田博貴

今月は、前回に引き続き民法改正のうち『保証』に関する第2段です。

1.個人保証の制限
現行民法は保証契約の対象を制限しておりませんが、改正民法は一定の保証契約につきその効力を否定しております。

その一定の保証契約とは、事業資金の借入れ等(正確には、後述する「貸金等債務」を主債務とする場合)の個人保証です。たとえば、Aがある事業を始めるために他者からお金を借り、Bがその貸金債務を保証する場合、これは、Aの事業資金の借入れを個人である(つまり、法人でない)Bが保証するものですから、その保証契約は無効となります。

2.制限の趣旨
改正民法が、こうした制限を設けるのは、一般に保証契約が個人の情義に基づいて行われ、また、保証対象である主債務が事業資金の場合、その金額も高額に上り、保証人が多額の保証債務の履行を求められ生活の破たんに追い込まれる事例が後を絶たないという現実によります。法は、このような現状を重視し、上記類型による保証契約を原則無効とすることで、融資の流動性を犠牲にしてでも弱者保護を図る方向で規制強化に踏み切ったのです。

3.個人保証の制限対象
上記保証制限の対象となる主債務(上のAとBの例では、Aの貸金返還債務を「主債務」、それを保証したBの債務を「保証債務」といいます)は、「貸金等債務」です。「貸金等債務」とは、法律上の定義が存在し、金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務のことをいいます。

このため、たとえば、建物等の賃料債務を主債務とする場合の保証は、上記制限を受けません。すなわち、Aが事業目的である建物を借りて、個人であるBがその賃料債務を保証したとしても、賃料債務は「貸金等債務」に含まれないため、上記制限を受けず、保証契約は有効に成立します。

4.例外
このように、主債務者が事業目的で負担する「貸金等債務」を主債務とする個人保証は原則無効ですが、①公正証書による保証、②経営者保証(取締役による会社の債務の保証、議決権株式の過半数を有する者の会社の債務の保証等)の場合、例外的に有効となります。

公正証書の厳格な手続をとれば情義に流されて安易に保証契約を結ぶリスクが低く、また、経営者や大株主は会社の経営に対する意識が一般人に比して高く、情義に流されることなく経済合理的な判断を下すことが期待されるからです。

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