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知的財産権(1) -総論-

企業法務

2015/10

森田博貴

1.はじめに
今月号より、企業様のご関心が高い知的財産権の分野につき連載で執筆させて頂きます。
今回は初回ですので、知的財産権の総論部分をご説明させて頂きます。その後、商標や著作権といった知的財産権の中でも特に鹿児島の企業様が関心をお持ちの分野についてご解説させて頂ければと考えております。
 

2.知的財産・知的財産権とは
まず、「知的財産」とは何かという点から入ります。

(1)「知的財産」とは、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発見又は解明がされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報をいいます(知的財産基本法2条1号)。

(2)次に、「知的財産権」とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利又は法律上保護される利益に係る権利をいいます(同法2条2号)。

(3)要するに、「物」に対して所有権が認められるのと同様、「無形物」に対しても類似の権利を認めよう、ただし、すべての「無形物」に権利性を認めるとかえって世の中が混乱するので「創作」性等の一定の要件を課して保護すべきものを限定しよう、というのが知的財産権制度の概要です。
 

3.知的財産権の特徴
(1)知的財産の特徴は、平たくいえば保護の対象が「情報」だということです。たとえば、あるアーティストが作った楽曲に著作権が発生することは広く認識されておりますが、ここでいう著作権の対象は、楽譜やCDそのものではなく、あくまでも旋律等の「情報」です。つまり、楽譜やCDはその「情報」が化体している物に過ぎず、権利の対象そのものではありません。

(2)そして、情報というのは、①容易に模倣され、且つ、②利用されることにより消費されることがないという特性を有しています。たとえば、お気に入りのアーティストのCDを購入した人がそのCD内に入った情報をパソコン上のハードディスクに複製することは容易です。また、複製したデータがケーキのような有体物であればそれを利用すること(食べること)で消費されますが、楽曲のような情報の場合それを何度利用(聴くこと)しようとも消費されることがありません。これら2つの特徴から、情報は、多くの者が同時に利用することが可能となり、一度模倣され、それが拡散すると、当該情報のオリジナルを有していることが経済的にほとんど意味をなさなくなります。こうした状況を是とした場合、人々は努力して新たな情報の発明・創作活動を行うことがばからしくなり、社会全体の創作意欲が減退することが予想されます。

(3)知的財産権とは、そうした社会全体の創作意欲の減退を防ぎ、かかる「情報」の発明・創作活動に対し法律による特別の恩典を与えることで、社会全体の富を増進せんとして用意された人工の制度なのです。
 

4.知的財産権の種類
上で述べたとおり、知的財産権とは、特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権の大きく5つの権利により構成されております。
このうち、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4つは特に産業的側面が強いことから産業財産権(工業所有権)と呼ばれ、特許庁の所管にかかります。

産業財産権は、特許庁に出願し登録されることによりその権利性が認められますが、著作権はそうした登録の手続を経る必要がなく、創作と同時に権利として保護されます。たとえば、著作権として保護される絵は、特別の手続を要せず、描いたと同時にその権利性が認められるのです。

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