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遺産分割の諸問題(2) -生命保険金と遺産分割-

家事

2015/12

茂木佑介

「相続対策に生命保険を利用しませんか?」というキャッチコピーを聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。皆様の大切な財産を次世代に繋いでいく方法として生命保険を利用するケースが多数ございます。では、「生命保険金」が遺産分割の場面でどのような扱いをされているのかご存知でしょうか。今回は、「生命保険金と遺産分割」というテーマをご説明させて頂きます。

そもそも、「生命保険契約」とは、特定の人の生死を保険事故とし、その保険事故の発生した場合に、保険者が保険金受取人に対し、約定の一定金額を支払うことを約し、保険契約者がこれに対し保険料の支払をもって酬いる契約のことを言います。
一見すると、生命保険金も被相続人の財産のように感じられる為、当然に遺産分割の対象に含まれるように思えます。しかし、保険契約者が自己を被保険者(被相続人)とし、相続人中の特定の者を保険金受取人と指定した場合、指定された者は「固有の権利」として保険金請求権を取得するので、遺産分割の対象とはなりません。 その結果、「会社の後継者となる長男に株式を譲渡する際の買い取り資金を準備してあげたい」、「二男が障害を抱えているので、生活費として援助してあげたい」、「長女が自分の介護を担ってくれたので、その恩に報いたい」などといった被相続人のご意向を、柔軟に叶えることが出来るようになります。

もっとも、生命保険金は、上述のとおり、被相続人の財産を不平等に分配する形になる為、生命保険契約において受取人と指定された一部の相続人が生命保険金を受領した場合、これが「特別受益」(なお、特別受益については本紙22号コラム「遺産分割の諸問題①~特別受益と寄与分~」をご参照ください)となるかが問題となります。

結論から申し上げますと、最高裁判所は、原則として「保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらない(特別受益には当たらない)」という判断を示しています(最決平成16年10月29日・判例タイムズ173号199頁)。

ただし、上記判断において、最高裁判所は、同時に「保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となる」と判断しており、一定の場合に特別受益に当たる場合があることを認めています。上記「特段の事情」の有無については、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等に対する貢献の度合いなどの保険金受取人である相続人及び他の共同相続人と被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断されることになります。

いずれにしても、生命保険金と遺産分割の問題は法律上の専門的な問題が複雑に絡んできます。今後、相続対策として生命保険を検討される方は、遺産分割案件を多数取り扱っている当事務所にご相談ください。

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