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商標権 -商標権の効力が及ぶ範囲(1)-

 企業法務2016/03  森田博貴 (※ニュースレター27号掲載)

1 はじめに
今月は、商標権の効力が及ぶ範囲、特に「類似」という概念についてお伝え致します。
「類似」は、商標権を理解する上で重要なポイントになりますので、今回から複数回に渡って取り上げさせて頂きます。

2 商標権の効力とその範囲
まず、商標権のおさらいですが、商標権は、特許庁に商標登録の出願を行い無事登録に至った場合に初めて生じる権利です。
この商標権の効力として、商標権者は、他者が当該登録商標と同一もしくは類似の商標を使用した場合(商標権侵害が行われた場合)、その使用を差し止め、当該侵害行為によって被った損害の賠償を求めることができます。
ポイントになるのは、こうした商標権の効力が、登録商標と同一の範囲に限られず、「類似」の範囲にまで及ぶという点です。

3 類否判断の基本枠組み
(1)以下では、商標が類似するか否かの判断方法についてお伝え致します。

(2)まず、基本的な判断枠組みですが、類否判断は、①標章(文字・図形・記号等)が同一もしくは類似するか、②指定商品・役務が同一もしくは類似するか、という2段構えで判断されます。
商標の登録が、標章と指定商品・役務の組み合わせで行われることは既に述べたとおりですが、①標章の同一もしくは類似、②指定商品・役務の同一もしくは類似といった①及び②のいずれをも満たす場合に初めて「類似」と判断されます。
たとえば、弊所は、平成25年2月1日より、「グレイス」という標章を用いたサービスの提供を開始しました。その一方で、「グレース」という標章が、1979年1月30日に既に「王子ネピア株式会社」により商標登録されております。「グレイス」と「グレース」は非常に紛らわしいですが、では、弊所は、王子ネピア(株)の登録商標の類似商標を利用したとして同社の商標権を侵害したことになるでしょうか。答えは、NOです。なぜなら、王子ネピア(株)の登録商標「グレース」は指定商品を「第16類 紙類」と登録されているのに対し、弊所は「グレイス」の商標を指定役務「第45類 訴訟事件その他に関する法律事務」として使用しているところ、上記①の類似が認められても、②の類似が認められないからです。

(3)以上をまとめますと、商標が類似と判断される場合は、以下のように区分けできます。
A 標章が同一で、且つ、商品・役務が類似
B 標章が類似で、且つ、商品・役務が同一
C 標章が類似で、且つ、商品・役務が類似

4 称呼・外観・観念による類否判断
類否判断の基本枠組みは、既に述べました。ここからは、各論に移ります。
先ほど私は、「グレイス」と「グレース」の標章が類似すると述べましたが、これはなぜでしょうか。
「グレイス」と「グレース」ではその称呼が紛らわしいからです。
標章の類否を判断する場合、原則的に、称呼・外観・観念から判断し、このうちの1つでも紛らわしい場合には類似と判断されます。呼び方が紛らわしかったり、見た目が紛らわしい場合には、消費者をして出所混同をきたし、商標法の目的とする商標権者の商標に対する信用や需要者(消費者)の利益に害を与えるからです。
この称呼・外観・観念による類否判断については、次回コラムの際に引き続き解説させて頂きます。

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