労働法コラム第1回
当事務所では、4月、7月、11月と3回にわたって「労務対策徹底強化セミナー」を実施致します。そこで、セミナー期間中は労務関係のコラムを連載して参ります。今回のコラムは第1回セミナーのテーマでもある「解雇」について触れさせていただきます。
「解雇」は、労働者に対する懲戒処分の中で最も厳しい処分です。そのため、解雇をめぐるトラブルは、企業が抱える労務問題の代表格となっています。そして解雇の問題は大きく分ければ、①解雇に至った事由がそもそも解雇理由として認められない、②解雇手続に違法がある、といういずれかの問題に集約されます。本コラムでは順次これらの点について扱いますが、今回は解雇が争われた場合のリスクについて触れます。
解雇は懲戒処分である以上、処分理由が必要となりますが、解雇を正当化し得る事由が法令上具体的に列挙されているわけではなく、労働契約法に「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(同法16条)と規定されているに過ぎません。これを分解すると、①解雇理由が客観的・合理的であり、②解雇が相当でなければならないという意味になりますが、これを「解雇権濫用法理」といい、この規定に反する解雇は全て無効となります。
「解雇が無効である」とは、使用者がはじめから解雇の意思表示をしていないことを意味するため、「労働者が労働の義務を負い、使用者が賃金を支払う関係」が存続していることになります。そこで、解雇された従業員から、従業員たる地位の確認請求訴訟が提起されるといったリスクが発生します。しかも、ここにいう労働者の労働義務は、就労の準備があることを使用者に通知さえすれば、現実に就労していなくても、労働義務を履行したことになるため、使用者の賃金支払義務だけが残ります。簡単に言えば、会社側にとって従業員に何ら就労の実態がないにもかかわらず、解雇期間中の賃金を支払わなければならないという、甚大なコストを負担する結果となります。
それでは、具体的にどのような場合に解雇が認められるのでしょうか。これにつきましては、次回以降の本コラムで触れさせていただきますが、詳細につきましては、労務対策徹底強化セミナーにてお話しいたします。
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