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解雇(2) ー従業員の職務懈怠があれば解雇は有効?ー

企業法務

2016/05

大武英司

先月から労働法に関するコラムを開始し、今月からはどのような場合に解雇が認められるのかにつき順次ご説明いたします。今回は懲戒事由として最もご相談の多い「職務懈怠」を理由とする解雇の有効性を取り上げます。

「職務懈怠」といっても、無断欠勤、勤務成績不良、遅刻過多、職場離脱など幾つもの態様が考えられますが、その事実があるだけでは直ちに有効な解雇とはなりません。それが就業に関する規律に反したり職場秩序を乱した場合と認められる場合に初めて解雇が有効と認められる方向に傾くこととなります。

解雇が有効とされた裁判例として、従業員が6ヶ月間に24回の遅刻と14回の欠勤を1回を除きすべて事前の届出なしに行い、その間の上司の繰り返しの注意や警告にもかかわらず、同態度を継続した事例があります。常識的な感覚では、事前の届出なしでの上記多数回の遅刻・欠勤があるだけで解雇は当然に有効としてもよさそうです。しかし、実際には「上司の繰り返しの注意や警告にもかかわらず、同態度を継続した」という点が解雇を有効にしたものと考えられます。しかも、「繰り返しの注意や警告をしたこと」の証明は企業側で負わなければならないため、職務懈怠の事実が判明するたびに始末書の提出等を求めることが必要となります。

他方、解雇が無効とされた判例として、宿直勤務のアナウンサーが、寝過ごして朝のニュース放送の穴をあける事故を2週間に2度起こしたことを理由とする解雇の有効性が争われたものがあります。この場合も、常識的な感覚では、事故そのものがニュースという非常に公益性の高いものであり、それを短期間に2度も穴をあけることの重大性から解雇が有効とされても良さそうなものです。しかし、裁判では、そのアナウンサーの悪意や故意はなかったこと、寝過ごしによる放送の空白はさほど長時間でなかったこと等を理由に解雇は無効と判断されました。

この2つの判例をご覧いただいても明らかなように、解雇の有効性は非常に厳格に判断されているということを念頭に置いていただくことが極めて肝要です。先月号の同コラムで「解雇権濫用法理」について触れましたが、それだけでなく、解雇という手段は「他のあらゆる手段を尽くしてもなお、これを採らざるを得ない」という「最後の手段」でなければならないという原則が解雇の問題全体を支配しております。

結局のところ、解雇の有効性は、それが争われている諸事情からケースバイケースで判断していくほかありません。しかし、雇う側としてより重要なことは、「解雇を争われても問題がない」と言えるだけの事前予防策を構築していくことにあります。

事前予防策等でご不明な点等がございましたら、是非当事務所にご相談ください。

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