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遺産分割の諸問題(5) -遺留分減殺請求とは-

家事

2016/07

茂木佑介

さて、前回は遺言能力と遺言無効確認の訴えについてお話させていただきました。一部の相続人の意に反する遺言が存在する場合、当該遺言の無効を主張していくものです。しかし、実際には、遺言能力の欠如を裏付ける資料を揃えていく必要があり、裁判になった際には必ずしも容易なものではありません。
では、例えば法定相続人であるにもかかわらず、遺言で自分に対する相続財産が定められておらず、また、遺言能力の欠如を裏付ける資料もない場合、全てを諦めなければいけないのでしょうか。
もちろん、そんなことはありません。民法によれば、相続人保護の見地から、「遺留分」という形で、たとえ遺言が存在した場合であっても、一定の持分的利益が認められています。

では、具体的にどなたがどのような割合で「遺留分」を権利として有しているのでしょうか。被相続人の配偶者、子、直系尊属が遺留分権利者であり、基本的には被相続人の財産の2分の1が遺留分割合と定められています(直系尊属のみが相続人である場合は3分の1)(民法1028条1号2号)。他方、被相続人の兄弟姉妹は遺留分権利者ではありません。
例えば、法定相続分が2分の1である配偶者の遺留分が遺言によって侵害されていた場合、同配偶者の遺留分は、相続財産全体の4分の1となります(1/2×1/2=1/4)。

遺留分減殺請求を行うにあたって何よりも気を付けなければいけないのは、同請求の行使期間が制限されていることです。民法には、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈のあったことを「知った時から1年」(民法1042条前段)、又は「相続開始時から10年」(同条後段)で遺留分減殺請求権が消滅すると定められています。
その為、遺言の内容を認識したとき等、当該贈与や遺贈が減殺すべきものであることを知られた際は大至急、何らかの手段を取る必要があります。具体的には、内容証明郵便などで遺留分減殺請求権を正式に行使したり、訴訟を提起したりする必要があります。厳密にはどのような形でも遺留分減殺請求権を行使すれば良いのですが、後々、遺留分減殺請求権を期限内に行使したかどうかで争いにならないようにする為には上記2つの方法がベストです。

遺留分減殺請求の協議または調停・訴訟等の法的手続が始まれば、後は具体的に遺留分をどのような形で支払うのか(不動産等の現物なのか、現金で支払うのか等)について話を詰めていくことになります。この時、被相続人が生前に他の相続人に贈与を行っていた場合は、贈与が為された時期や、贈与が為された際の被相続人の認識によってはこれらも遺留分算定の基礎に加算されていくことになります。他の相続人には繰り返し生前贈与が為されていた挙句、最後に遺言でもご自身の遺留分が侵害されることとなった場合、遺留分が具体的にどの程度になるのかは非常に難しい問題です。

いずれにせよ、遺留分は法律上、本コラムでご紹介できなかった多くの難しい点を含んでいます。のみならず、期間制限がある為、可能な限り早く動き始める必要があります。納得のいかない遺言の存在が明らかとなった際は、一度、当事務所にご相談ください。

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