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  • 労働法コラム第9回「マタニティーハラスメント事件 ~広島中央保健生協事件~」

マタニティーハラスメント事件 ~広島中央保健生協事件~

企業法務

2017/02 

戸田晃輔

1 はじめに
前回のコラムでは、いわゆるマタニティーハラスメントの防止措置に関して改正された法律の概要をご紹介いたしました。
今回のコラムでは、男女雇用均等法9条3項で禁止している妊娠等を理由とする「不利益な取扱い」が実際に問題となった最高裁判決(最判平成26年10月23日民集68巻8号1270頁)をご紹介いたします。

2 判例の内容
副主任の職位にあった被用者が、労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して副主任を外され、育児休業の終了後も副主任に任ぜられなかったという事案において、最高裁は、①原則として、妊娠中の軽易作業への転換を契機に降格させるのは違法であるとし、②例外的に、問題となっている労働者が自由な意思に基づいて降格を承知したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在する場合又は③降格の業務上の必要性がある場合で、その業務上の必要性の内容や程度、当該被用者における業務上の負担の軽減の内容や程度を基礎づける事情を考慮のうえ、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項の趣旨及び目的に実質的に反しないと認められる特段の事情の存在を認める場合には、適法と判断しました。

3 判例のポイント
同判例のポイントは、まず、副主任からの降格は原則として違法としているところです。そのため、軽易な業務だからといってすぐに降格をすると違法と判断される可能性があります。
そのため、降格を検討するにあたっては、例外的に適法となる2点について検討する必要があり、使用者としては不利益な取扱いについて合理的な理由がつくかを検討しなければなりません。

なお、厚生労働省は、この判例を受け、通達(平成27年1月23日雇児発0123第1号)において、男女雇用機会均等法9条3項と育児・介護休業法10条の「不利益な取扱い」の解釈一般についてこの判例の考えを取り入れています。そのため、今回の軽易な業務への転換にかかる降格だけでなく妊娠や育児介護を理由にした不利益な取扱い(降格、減給等)一般についても、この考え方をもとにその有効性を判断することになります。

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