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「後見」とは

成年後見

2017/03

碓井晶子

1.はじめに
先月号のコラムにて、法定後見はさらに判断能力の不十分の程度によって、後見、保佐及び補助の3類型に分類されるとご説明させていただきましたが、今月号ではこの3類型のうちの「後見」について詳細にご説明させていただきます。

2.後見とは
後見とは、正確に申し上げるならば、①精神上の障害により②事理を弁識する能力を欠く③常況にある者を対象とする制度のことをいいます(民法第7条)。
堅苦しい言葉の羅列で、わかりにくいと思いますので、一つ一つの言葉を簡単に説明させていただきますと、まず①「精神上の障害」とは、身体上の障害を除いた全ての精神的障害を意味します。具体的には、認知症、知的障害、精神障害、疾病・事故等による脳機能障害を原因とする精神的障害等を指します。次に、②「事理を弁識する能力」とは、法律行為(例えば物の売買や、住居の賃貸借等)をするに際して、自分にとって利益になるか不利益になるかを判断する能力をいいます。さらに、③「常況」とは、一時的に事理を弁識する能力を回復することはあっても、大部分の時間はその能力を欠いている状態が継続していることをいいます。
すなわち、後見制度は、精神障害により、法律行為をする際に自分にとって有利か不利かを判断する能力がほぼ常に欠けている人を対象とする制度、ということになります。

3.後見制度を使うためには
ご家族の方で、精神障害により、法律行為をする際に自分にとって有利か不利かを判断する能力がほぼ常に欠けていると思われる人がいて後見制度を使いたい場合には、そのご家族につき後見開始の審判の申立てを裁判所に行うことになります。そして、裁判所が、後見にあたると判断して初めてそのご家族は「成年被後見人」、すなわち後見制度の対象者になることができることになります。
ここで、後見にあたるかどうかの判断はどのようにされるのか疑問に思われたかと思いますが、後見にあたるかどうかは、明らかな場合を除き、基本的には鑑定、すなわち裁判所の命令によって鑑定人という専門家が医学的に判定する手続によって判断されることになります(家事事件手続法第119条1項)。

4.援助者(成年後見人)について
ご家族の方が後見制度の対象者である「成年被後見人」にあたることになった場合には、裁判所がその成年被後見人のために「成年後見人」、すなわち成年被後見人の援助者を選任します(民法第8条、第843条)。
この選任は、成年被後見人の心身の状態並びに成年被後見人との利害関係の有無、成年被後見人の意見その他諸々の事情を考慮してなされますが、現在では、法人を選任することも複数人を選任することも可能になりました(民法第843条4項)。

5.援助者(成年後見人)の権限について
成年後見人は、包括的な代理権及びこれに対応する財産管理権と、日常生活に必要な範囲の行為以外の法律行為に関する取消権が付与されています(民法第120条1項)。
すなわち、成年後見人には、遺言や婚姻等の一身専属的な行為(本人が行わなければ意味がないもの)以外の本人の財産に関する法律行為について成年被後見人に代わって行う権利と、成年被後見人の日常生活に必要な範囲以外の行為を後から取り消す権利が認められており、非常に重要な権限を付与されることになります。

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