企業法務コラム「固定残業代制度が有効となるためには?」 | 鹿児島 弁護士|弁護士法人グレイス 鹿児島県弁護士会所属

鹿児島弁護士会所属 | 弁護士法人グレイス 鹿児島を中心とする顧問先300社以上の信頼と実績

弁護士法人グレイス

経営者のためのメールマガジン

close

法律に関する様々な
トピックを弁護士が解説

無料で読めるメルマガ登録はこちら

メールアドレスを入力→
登録ボタンをクリック
(10秒程お待ちください)

弁護士コラム

企業法務コラム

固定残業代制度が有効となるためには?

労務問題

2017/10

弁護士:大武英司

固定残業代制度が有効となるためには?

今年7月7日、勤務医が私立病院を相手取って残業代請求をした案件についての最高裁判決が出されました。この判決は固定残業代制を採用する病院側が敗訴したものであり、事業主様に与える影響は非常に大きいと言わざるを得ません。しかも、この判決は医療法人様だけでなく、使用者の立場に立たれる全ての方に共通する問題でありますので、目を背ける訳にはいきません。

この判決は、従業員の残業代請求に対し、使用者側が固定残業代を採用していることを理由に未払いの残業代はないと争っていた案件に対して、固定残業代制として有効なものではなく、残業代を支払ったことにはならないとの判断を下したものでした。

今回の最高裁も含め、これまで蓄積された裁判例を整理すると、固定残業代制が有効となるためには、次の3つの要件を全て備える必要があります。すなわち、①労働者との間で、固定残業代制を採用することの合意が存在すること②通常の賃金と割増賃金とを明確に区別し得る固定残業代制であること③固定残業代が予定している分を超える残業が発生した場合に、労働者との間でその差額を支払うことの合意が存在することです。

本判決を含め、この3要件の中で圧倒的に問題となっているケースが多いのは、②が欠けるという案件です。

そこで、②の問題をより詳細に説明しますと、固定残業代を定めるにあたっては、通常の労働時間に対する賃金と割増賃金とを明確に区別し得るものでなければ、労働者及び使用者いずれの立場からも、割増賃金相当部分が法の要求する賃金を満たすか否かを判断できないため、そのような区別の不明確な固定残業代制は全て無効になるということです。

固定残業代制をせっかく採用していても、それが無効と判断されては、過去に遡って2年分の未払賃金を全て支払わざるを得なくなり、使用者側にとっては、予期しない非常に大きな痛手となります。そして、昨今、本件のような残業代問題がクローズアップしており、労働者側からの請求だけでなく、監督官庁からの指導も非常に厳しくなっております。

使用者側に立たれる皆様におかれましては、就業規則やその他の諸規程が果たして有効な固定残業代制を採用しているのか検証していただくとともに、少しでもご不安な点をお持ちの場合には、当事務所までお問い合わせください。

このコラムに関連するページはこちら

その他の関連するコラムはこちら

労務問題・労働法コラム 労務問題・労働法コラム
2018/06
労務問題

正社員と非正規社員の待遇格差について ~平成30年6月1日最高裁判決~

2018/05
労務問題

職員の採用と労働法

2018/04
労務問題

無期転換制度と雇止め

2018/03
労務問題

問題社員に対する対処法

2018/02
労務問題

有期雇用に関する基礎知識 ~不合理な労働条件の禁止~

2017/12
労務問題

有期雇用に関する基礎知識について ~契約期間及び契約の終了にかかる規制~

2017/10
労務問題

固定残業代制度が有効となるためには?

2017/09
労働法

有期雇用の無期転換申込権について

2017/08
労務問題

就業規則を知って活用する

2017/06
労働法

第13回 均等法及び育介法の防止措置について④~事情聴取後の対応~

2017/05
労働法

第12回 均等法及び育介法の防止措置について③~相談への対応方法~

2017/04
労働法

第11回 均等法及び育介法の防止措置について②~相談体制の整備について~

2017/03
労働法

第10回 均等法及び育介法の防止措置について①

2017/02
労働法

第09回 マタニティーハラスメント事件 ~広島中央保健生協事件~

2016/12
労働法

第08回 均等法と育介法の改正内容の概要

2016/10
労働法

第07回 ハラスメント問題について

2016/09
労働法

第06回 賃金(2)ー賃金から控除することができる費用って何?ー

2016/08
労働法

第05回 賃金(1)ー労働法が適用される「労働者」とはどんな従業員のこと?ー

2016/07
労働法

第04回 解雇(4)ー解雇をするために必要な手続って?ー

2016/06
労働法

第03回 解雇(3)ー従業員の私生活上の非行を理由に解雇はできるのか?ー

2016/05
労働法

第02回 解雇(2)ー従業員の職務懈怠があれば解雇は有効?ー

2016/04
労働法

第01回 解雇(1)ー解雇が無効となると、使用者側にはこんなリスクが!ー

弁護士コラム カテゴリー一覧

  • 労務問題・労働法コラム
  • 知的財産権コラム
  • 法改正コラム
  • 下請法コラム
  • 個人情報コラム
  • その他のコラム
■HOME ■事務所紹介 ■弁護士紹介 ■弁護士費用 ■アクセスマップ
契約書の相談 債権回収の相談 消費者問題の相談 労務問題の相談
労使紛争の相談 不動産問題の相談 再生・倒産の相談 会社法の相談
顧問弁護士の相談 債務整理の相談 離婚の相談 交通事故の相談

鹿児島の弁護士による中小企業法律相談
© Copyright 2017 弁護士法人グレイス 
All Rights Reserved.

鹿児島弁護士会所属 弁護士法人グレイス
〒892-0828 鹿児島県鹿児島市金生町1-1
ラウンドクロス鹿児島6F(鹿児島事務所)
TEL:099-822-0764 FAX:099-822-0765