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弁護士コラム

企業法務コラム

有期雇用に関する基礎知識 ~不合理な労働条件の禁止~

労務問題

2018/02

弁護士:戸田晃輔

有期雇用に関する基礎知識 ~不合理な労働条件の禁止~

1. はじめに

有期雇用(ここでは、期間を定めた雇用契約をいいます)について、現在の労働基準法や労働契約法には、特有の規制が存在します。以前ご紹介した期間、解雇及び雇止め(期間満了による契約の終了)に加え、他にも不合理な労働条件の禁止及び無期転換申込権等が存在します。

今回は、定年後の再雇用の場面でも問題となる不合理な労働条件の禁止についてご紹介します。

2. 規制内容について

労働契約法(以下「法」といいます)第20条では、無期雇用の従業員と有期雇用の従業員との間で、労働条件に違いがある場合、その労働条件が不合理と認められるものであってはならないと定められています。

そして、不合理な労働条件といえるかどうかは、業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該業務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して判断されます。そのため、労働条件に違いがあったとしてもその労働条件の違いが直ちに違法となるわけではありません

3. 定年後の再雇用と法20条について

最近では、特に定年後の再雇用における条件引き下げについて法20条が問題となっており、裁判例でも、この点が争いとなったものが登場しています。

あくまで定年後の再雇用は、契約締結に関する問題ですので、当事者が労働条件を自由に決定できるのが原則です。しかし、定年時と仕事内容が同様であるのにもかかわらず、賃金を定年時から大幅に下げると法20条違反の可能性が生じます。

裁判例では、もともと定年後の再雇用制度における有期労働契約では、職務内容等が同一で、その変更の範囲が同一であっても、定年前に比較して一定程度賃金が減額されることが一般的である定年後の再雇用という性質を考慮し、賃金の減額についてある程度(同裁判例では約2割程度の減額)許容しています。ただし、他の裁判例では、個々の手当それぞれについて、その手当の性質を加味して不支給の当否が判断されています。

4. 法20条違法とならないためのポイント

以上のように、裁判例でも不合理な労働条件か否かの明確な判断基準が確立されていませんが、企業の対応としては、労働条件の違いについて明確な理由があるかどうかが重要となってきます。そのため、就業規則でも、具体的に取り扱いを変える(雇用形態、契約形態及び就労形態の区別の明確化)ことが必要となります。

当事務所では、以上のような観点も踏まえた就業規則の確認も行っておりますので、お気軽にご相談いただければと思います。

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