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企業法務コラム

建設業法に違反するとどうなる?違反例と対策・対応を弁護士が解説

投稿日:
更新日:2025/06/16

 建設・建築業は、まさに国民生活の基盤を支える重要な産業であり、下請け業者が不当な扱いを受けて建設業を担うことができなくならないようにするなど、その健全な発展のために、建設業法による規制がなされています。

 建設業法に違反した場合には、行政処分や刑事罰、さらには社会的信用の失墜といった深刻な結果を招く可能性がありますから、「知らなかった。」で済ますことなく、建設業を遵守するように留意しましょう。

 この記事では、建設業法違反の具体例と、違反した場合のリスク、そしてそれらを未然に防ぐための対策について解説します。

建設業法違反の具体例

 建設業法違反の具体例としては、以下のようなものがあります。

無許可営業

 一定の建設業を営むためには、建設業法に基づき国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です。許可なく建設工事を請け負うことは、重大な建設業法違反となります。特に、許可が必要な工事金額(請負代金の額が500万円以上の工事や、1500万円以上又は延べ面積が150㎡以上の木造建築物の建築一式工事)を超える工事を無許可で行った場合は、厳しく罰せられます。

 ちなみに、500万円以上の工事の発注書・請求書を2通以上作成して500万円未満の工事に分割したとしても、建設業法違反となりますからご注意ください。

一括下請け

 建設工事の全部又はその主たる部分を、元請業者が自ら施工せず、全て下請業者に丸投げする行為は原則として禁止されています。これは、元請業者が責任を放棄し、各種の工事の品質低下や、労働災害等の事故のリスクを高める可能性があるためです。

 ただし、発注者の書面による承諾がある場合など、例外的に認められるケースもあります。

下請契約書の不備・未交付

 建設工事の下請契約においては、契約内容を明確にするため、書面による契約書の作成が義務付けられています。契約金額・工期・工事内容・支払条件などの法定の記載事項が欠けていたり、そもそも契約書を交付していなかったりした場合には、建設業法違反となります。

不当な代金未払い/遅延

 完成した工事に対する請負代金を、正当な理由なく支払わなかったり、支払いを著しく遅延させたりする行為は、下請け業者の経営を圧迫し、ひいては建設業界全体の健全な発展を阻害するため、厳しく規制されています。いわゆる下請けいじめと呼ばれる行為は、広く禁止されているといえます。

名義貸し・名義借り

 建設業の許可を受けた業者が、許可を持っていない業者に自社の名義を貸したり、逆に許可のない業者が他社の名義を借りて営業したりする行為は、当然ながら、不正競争や脱法行為につながるため禁止されています。

 法律が建設業を営む者に建設業許可を取得することを要求する趣旨に違反する行為といえます。

不正な入札行為(指名停止のリスク)

 特に公共工事の入札においては、談合やカルテルといった不正な入札行為に関与することは、独占禁止法だけでなく建設業法上の問題ともなり、指名停止処分などを受ける可能性があります。全盛期に比べて随分談合は減ってきていますが、未だに検挙・処分例はありますので、加担することのないように留意しましょう。

違反した時のリスク

 このように建設業法に違反した場合には、以下のようなリスクを背負うこととなります。

指導/改善命令/公表のリスク

 軽微な違反の場合でも、行政庁から指導や改善命令を受けることがあります。また、違反内容が悪質である場合や、複数回の指導によっても改善が見られない場合には、企業名や違反内容が公表されることもあり、企業イメージに大きなダメージを与える結果となってしまいますからご注意ください。

営業停止・許可取消

 更に、重大な建設業法違反があった場合、一定期間の営業停止処分を受けたり、最悪の場合には建設業許可を取り消されたりすることがあります。許可が取り消されれば、建設業を営むことができなくなり、事業継続が不可能となる深刻な事態に陥ります。

 ちなみに、事業主又は法人の役員等が懲役・禁固の刑に処せられた場合(執行猶予付きの判決の場合も含みます。)にも、建設業法許可が取り消される可能性がありますので、ご注意ください。また、一部の犯罪については、罰金刑であっても建設業許可の取消しになります。

刑事罰(罰金刑・懲役)

 無許可営業や一括下請けなど、特に悪質な違反行為に対しては、事業主や会社代表者等に刑事罰が科されることがあります。例えば、無許可営業に関しては、事業主又は会社代表者を、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する」と定められています。

社会的信用の失墜

 建設業法違反が発覚した場合、企業としての社会的信用が著しく失墜します。新規の顧客獲得が困難になるだけでなく、既存の取引先からの信頼も失い、企業の存続そのものが危ぶまれる事態になりかねません。ましてや、公共工事への入札は極めて困難になると言わざるを得ないでしょう。

違反を事前に防ぐ対策

 このようなリスクを抱えることなく、建設業法違反を未然に防ぐために、以下のような対策が重要です。

顧問弁護士との契約

 まず、早急に顧問弁護士との契約をして、各種のリーガルチェックを受けましょう。

 建設業法はかなり複雑であり、毎年、改正される可能性があります。顧問弁護士と契約することで、最新の法令情報に基づいたアドバイスを受け、契約書作成のチェックや法的な問題が発生した際の迅速な対応が可能となります。特に、日々の業務における法的な疑問点を気軽に相談できる体制を整えることが重要です。

下請との契約・施工体制のチェック

 次に、下請業者との契約においては、建設業法で定められた事項を漏れなく記載した契約書を必ず作成し、内容を十分に確認することが不可欠です。

 また、一括下請けにならないよう、元請業者としての施工体制を確立し、現場における実態が法令に適合しているかを定期的にチェックする体制を構築しましょう。現場監督者さえ置かずに、事実上工事を丸投げしてしまう業者は未だに多いです。

社内ルールの作成と教育

 建設業法に関する社内ルールを明確に作成し、全従業員に対して定期的な研修や教育を行うことが重要です。特に、現場担当者や契約担当者に対しては、具体的な事例を交えながら、違反行為の重大性やそのリスクを周知徹底させる必要があります。コンプライアンス意識の向上は、法令遵守の第一歩となります。ここでも、弁護士に相談・依頼することで、研修講師を務めてもらったり、ルールを作成してもらったりできるなど、有益な援助が得られます。

まとめ

 以上のとおり、建設業法の違反例とそのリスク、そして対策・対応方法について解説しました。建設業法は難解な内容で改正もある程度頻繁にあるにもかかわらず、これに違反した場合のリスクがかなり大きい法律です。ぜひ、建設業法に習熟した弁護士と顧問契約を締結し、建設業法に違反する行為をしないように対策を取ってください。

 当事務所では、各種業態の企業顧問・企業法務を多く扱っておりますので、建設業者の方からのご相談には対応可能です。ぜひ、建設業法にお悩み・お困りの方がいらっしゃいましたら、一度当事務所までご相談ください。あなたの目で、私達を顧問弁護士にするべきか直接ご判断いただき、ご相談・ご依頼いただく日を心待ちにしております。

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【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

本店所在地
〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
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