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コロナ対策Q&A

コロナ問題に関するよくあるご質問をまとめました。こちらにないご質問があれば、お気軽にお問い合わせください!

「 従業員の感染予防 」についてのQ&A一覧

A–
あくまでもプライベート(就業外)での行為ですので、就業規則上の懲戒処分等(始末書の提出、減給、解雇等)を行うことまでは、難しいと考えられます。
他方で、事実上の措置として、該当者に対して、一定期間の自宅待機・在宅勤務を命じることは、安全配慮の観点からも、問題ないと考えられます。

但し、この措置は、懲戒処分そのものではありませんので、休業手当(賃金の60%相当)の支払が必要になってまいります。
なお、貴社の就業規則に、休業手当を支給する旨の規定がない場合には、賃金の100%を支給する義務があると解釈される可能性がありますので、念のため、貴社の就業規則の該当条項の有無をご確認ください。

Q 職員のプライベートでの移動制限などの制約を行ってもよいか。
Q 同居する家族について、県外に移動後に帰ってくる場合・県外から来る人等と接触をする場合に、制限を行ってもよいか。

A–
基本的には、

Q 職員のプライベートでの移動制限などの制約を行ってもよいか。

と同様ですので、こちらをご参照ください。

A–
例として、以下の方法が考えられます。

・移動を行わないことの周知徹底(不要不急以外の禁止)
・移動した場合の報告(義務化の可否)
・移動後の一定期間の自宅待機の指示等

但し、違反時に懲戒処分等(始末書の提出、減給、解雇等)を課することまでは難しいと考えられますので、あくまでも事実上の抑止力を狙っての措置となります。

A–
例として、以下の方法が考えられます。

・始業時の上司による確認の徹底
・申告の義務化
・マスク着用(各自で確保)の義務化

これらの措置自体を行うことは差し支えございませんが、1回のみの違反をもって、直ちに懲戒処分等を課することまでは難しいと考えられます。複数回にわたる違反があり、該当者に対して指導をしても改めない場合に限り、懲戒処分を課することを検討することができるに留まると考えられます。

「休業補償一般について」のQ&A一覧

A–
新型コロナウイルスの影響といえども、会社が従業員を休ませる場合には、ほとんどのケースでは平均賃金の6割以上の休業手当を支払う義務があると考えられます。

(1)会社が従業員を休ませる場合には、その理由が使用者にあるか、従業員にあるかで休業手当を支給すべきかが変わってきます(民法536条1項及び2項)。
まず、休業の理由が、使用者又は従業員どちらにもない場合には、使用者は従業員に対して給与を支払う必要はありません(民法536条1項)。もちろん、就業規則や雇用契約で異なる定めをおけば、それに従うことになります。
(2)次に、休業の原因が従業員にある場合には、従業員の債務不履行であるため、給与を支払う必要はありません。
(3)最後に、休業の原因が使用者にある場合には、従業員に対して原則として賃金全額を支払う必要があります(民法536条2項)。もっとも、この民法を理由とする賃金の支払いについては、就業規則や雇用契約等で異なる定めをすればその内容に従い賃金を支払えば良いということになります。
ただし、労働基準法26条において「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」と定められています。そのため、就業規則や雇用契約の規定にかかわらず、同条に定める「使用者の責に帰すべき事由」が認められる限り、会社は少なくとも平均賃金の6割以上の手当を支給しなければなりません。そして、ここでいう「使用者の責に帰すべき事由」には、不可抗力を除いて会社側に起因する経営、管理上の障害も含まれると解されており、かなり広く同事由が認められます。そのため、多くの場合に労働基準法26条の「使用者の責に帰すべき事由」が認められることとなります。
したがって、単に新型コロナウイルスを理由とする休業にあっては、同条に定める休業手当を支払う必要があると判断されるケースが多いと考えられます。具体的な場合わけについては、本Q&A以下のQ&Aを参照していただければと思います。
なお、休業手当については、雇用調整助成金の利用を検討することをお勧めします。当事務所においても随時ご相談を受けておりますので、気軽にご相談いただければと思います。

「賃金支払い義務について」のQ&A一覧

A–
貴社が適切な社内の安全衛生管理体制を構築・運用していることが前提となりますが、新型コロナウイルスが、物体を通じて感染するリスクが高いという特性に鑑みますと、事業所の一時閉鎖等は、安全管理の観点からやむを得ない措置であると考えられますので、

Q 従業員に発熱等があり、感染者の接触等も疑われたため、休ませる場合について、賃金支払義務等があるか。

と同様の結論をとることが可能であり、給与支払義務・休業手当支払義務はなくなるものと考えられます。

A–
発熱等があり、感染していることが合理的に疑われる事情があるケースでも、

Q 従業員が感染して入院等した場合について、賃金支払義務等があるか。

と同様の結論をとることが可能であり、給与支払義務・休業手当支払義務はなくなるものと考えられます。

A–
新型コロナウイルスに感染した場合には、給与支払の義務・休業手当の支払義務はなくなります。

「 通勤等に関する配慮 」のQ&A一覧

A–

1.時差出勤の導入

まず、通勤時刻におけるラッシュアワーを外す時差出勤を導入することが考えられます。
この点、労働契約においては、使用者は労働者に対し、始業時刻及び終業時刻を明示しなければならないとされ(労基法15条1項、労基則5条1項2号)、就業規則を作成する場合も、始業時刻及び就業時刻の記載は必要的記載事項であるとされています(労基法89条1号)。
このため、始業時刻及び終業時刻を変更するためには労働契約の変更について各労働者の同意を得ることが必要であることが原則です。もっとも、多くの会社では、「ただし、業務の都合その他やむを得ない事情により、これらを繰り上げ、又は繰り下げることがある。」という条項が入っていると思います。
現在、政府からは、感染リスクを減らす観点からのテレワークや時差通勤の積極的な活用の促進が要請されていますので、上記の「やむを得ない事情」があるといえるでしょうし、従業員の感染リスクを下げる方策を取ることによって事業者の安全配慮義務を尽くす、という観点からも一方的に時差出勤を命じることが可能であると考えられます。
なお、時差出勤を命じた場合、始業時刻及び終業時刻が変更されることになりますが、通常の所定労働時間を前にずらして早出出勤を命じるか、もしくは遅出を命じただけであれば、残業代の支払いは発生することはありません。ただし、午後10時から翌日午前5時までの間に労働した場合は深夜労働の割増賃金を支払わなければならないことに注意が必要です(労基法37条4項参照)。

2.通常の通勤経路とは異なる方法での通勤

次に、通常の経路が混雑している労働者が、時間がかかっても、混雑が緩和されている別の通勤経路を利用したい、という労働者がいた場合はどうでしょうか。この場合も、従業員が感染者と接触する機会を減らす、という安全配慮義務の観点からいうと、特段問題ないと考えられます。

3.車通勤の実施

そして、接触感染防止の観点から、マイカー通勤を実施することも考えられます。この場合も安全配慮義務の観点から特段問題ないと考えられます。ただし、マイカー通勤の場合、どこまで駐車場代、ガソリン代を負担するのか等について事前の取り決めが必要でしょう。
特に、都心部の交通網が発達した会社ではマイカー通勤を想定した規定がないことが多いため、どこまで費用を負担するのか、事前に取決めをしておくことが重要になると思われます。

「 コロナを理由とした支払い遅延への対応策 」のQ&A一覧

A–

結論としては、コロナウイルス等を支払遅延の理由に挙げられたとしても、法的にそれが正当化されることはありません。

あくまで金銭的な支払義務についてではありますが、民法419条には次のような規定が存在します。


①金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。(中略)

②(略)
③第1項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
すなわち、金銭を支払う債務についての履行は理由のいかんを問わず、その遅延が正当化されることはありません。
従って、コロナウイルスを理由とされた場合であっても、毅然とその債権の回収を図ることが必要です。 もっとも、取引先や顧客との関係性を考えて、一定期間に限り支払いを猶予するといった柔軟な対応を図ることも政策的には考えられます。 しかしながら、仮に支払いを猶予すれば、その後の回収リスクが高まる可能性があるだけでなく、遅延損害金も猶予期間までは発生しないことになりますので、そのような対応をする場合には熟慮が必要です。

「 労働管理をどのように行うか 」のQ&A一覧

A–

テレワークであったとしても通常勤務と同様、労働関係法令の適用を受けます。従って、労働時間管理が難しいことが多く、自己申告制によらざるを得ないことが多いでしょう。

自己申告制による場合のデメリットは、正確な労働時間の申告となっているのか確認することが難しかったり、オーバーワークが生じている点を使用者が看過してしまう点等が挙げられます。 そこで、テレワークを実施している労働者に対し、常時情報通信機器を通じて労働状況を管理することが考えられます。また、始業と終業の報告を業務日報等の書類を提出させることを徹底することも上記デメリットをなくす方策といえましょう。

また、いわゆる「事業場外みなし労働時間制」を適用することも考えられます。これは、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす制度です。
ただし、この制度は、情報通信機器を通じた使用者の指示に即応する義務がない状態であることや、随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っている訳ではなこと等の条件を満たしていなければ、適用できるものではありませんので、その運用には注意を要します。

「 休職制度を利用することの可否について 」のQ&A一覧

A–

休職制度は、従業員について労務に従事させることが不能または不適当な事由が生じた場合に、使用者がその従業員に対し雇用契約そのものは維持させながら労働を免除または禁止する制度です。

休職制度は、使用者側主導で就業規則において規定することのできる制度です。従って、就業規則に定められている休職事由に該当すれば、同じく就業規則に定められた期間の範囲で休職させることが可能です。

従って、コロナウイルス対策のために休職制度を利用することも可能です。
もっとも、休職制度は解雇猶予措置としての機能を持たせて設計されていることが多く、コロナウイルスの感染予防のような一時的な期間の場合に、必ずしも利用できない設計になっていないか就業規則の定めを確認する必要があります。
また、コロナウイルス対策のためであったとしても会社が従業員に休業を命じた場合には、休業手当として賃金の60%以上を支払わなければなりませんが、休職制度は休職期間中を無給扱いにしている就業規則が多いことから、休業を命じた場合と比較して休職制度の利用は従業員に対し不利益といえます。
従いまして、休職制度を利用するとしても、従業員に対するそのような不利益に配慮した運用が望まれます。

「 賃金の削減について 」のQ&A一覧

A–

賃金の額は労働条件の根幹部分ですので、使用者側がその額を一方的に削減することは労働条件の不利益変更にあたり認められません。もちろん従業員との真摯な合意に基づき雇用契約を変更することは可能ですが、そのような合意が現実的に可能なのかどうかという問題があります。
そうすると、次に考えられるのは、時短勤務やテレワーク等を駆使して、労働時間そのものを一時的に短縮することにより、その短縮部分に相当する賃金を減額するという方法です。
この方法は、一見するとノーワーク・ノーペイの原則から認められそうにも思われますが、従業員にはもともと締結していた雇用契約上の労働時間だけ労働できる権利及びそれに相当する賃金を受け取る権利がある訳ですので、やはり不利益変更になり得ます。
もっとも、一定期間、労働時間を短縮することによりその短縮する部分の賃金を下げる方法は一定の合理性が認められるうえ、必ずしも従業員の受ける不利益の程度が高いともいえません。
従いまして、従業員に説明のうえ、この方法をとることは現実的であり、かつリスクも少ないものと考えられます。

「 入社時の健康診断について 」のQ&A一覧

A–

職種の変更については、変更後の職種が契約の内容の範囲内であり、かつ、健康診断の結果により当初予定されていた業務ができないと判断すること及び変更後の職種の妥当正が認められれば職種の変更は可能と考えられます。
しかし、解雇については、健康診断のみを理由で行うことには慎重な判断をする必要があり、簡単には認められないと考えられます。

(1)まず、会社は、従業員を雇い入れる際にその従業員について健康診断を実施しなければなりません(安全衛生法66条、同法規則43条)。しかし、現在、新型コロナウイルスの影響があり、健康診断が入社までに行えないという事態も生じています。
なお、これについては、令和2年3月11日付け基発0311第3号通達により一定の場合には、令和2年5月末日までの間、実施期間を延期しても差し支えないとされています。

(2)次に、就業規則等に根拠規定が存在すれば、職種の変更は原則として可能であると考えられます。ただし、職種の変更について無制限に認められるわけではなく、雇用契約書の従事する業務の内容の範囲内という制限はあります。また、業務上の必要性を欠く場合には違法となります。
たとえば、職種の変更の目的が不当な場合や変更後の職種が従業員にとって不利益が大きい場合などです。そのため、変更後の職種の選択については熟慮が必要です。

(3)解雇については、労働契約法の制限があり、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効」(労働契約法16条)となります。

そのため、単に健康診断の結果のみをもって解雇することはむずかしいと言わざるを得ず、慎重に解雇をするかについては判断しなければなりません。
なお、雇用契約に試用期間が定められている場合には、本採用拒否ということも場合によっては選択肢となります。しかし、解雇であることには変わりがありませんので、同様に慎重な判断が求められます。

「 雇い止めについて 」のQ&A一覧

A–

契約期間が満了したといっても、期間の満了を理由に当然に退職をしてもらうことはできないため、慎重に判断する必要があります。

(1)期間の定められた雇用契約を締結した従業員(いわゆる非正規労働者や契約社員、以下「有期労働者」といいます。)の雇用契約は、契約期間が満了すれば、同契約は終了するのが原則です。
しかし、契約期間満了時に契約を更新しないこと(以下「雇止め」といいます。)を簡単に認めると、有期労働者は不安定な地位に置かれることになります。そのため、労働契約法19条において、会社による契約の更新拒絶を一定の場合に制限しています。

(2)具体的には、以下のいずれかに該当し、かつ、有期労働者からの更新の申込みを拒絶することが客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められないときは、従前の雇用契約と同一の条件で契約が更新されることになります。

・雇止めが無期労働契約の労働者を解雇すると社会通念上同視できる場合 ・契約更新に合理的な期待がある場合

(3)雇止めが期間を定めていない雇用契約を締結している従業員を解雇すると社会通念上同視できるか及び契約更新に対する合理的な期待があるかは、雇用の臨時性・常用性、更新の回数、これまでの雇用期間、雇用契約期間の管理状況、雇用を継続すると期待を持たせる言動・制度の存否などを総合的に考慮して判断します。

(4)以上のように、新型コロナウイルスの影響による売上の減少という理由だけで、当然に雇止めができるわけではありません。そのため、以上の事情を考慮して雇い止めが許されるかどうか慎重に判断する必要があります。

また、以上を考慮して直ちに雇い止めが難しい場合には、更新時に今後の更新はしないことを説明し、有期労働者の更新への期待を軽減させるよう協議を進めていくのが望ましいといえます。さらに、日頃から、有期労働者の雇い入れ時から雇用期間、そして更新手続時に渡って慎重に行動することも重要となってきます。

「 解雇について 」のQ&A一覧

A–

売上の減少等の業績が悪化しているからといって当然に解雇が認められるわけではあります。解雇を回避する方法を検討して、それでも解雇せざるを得ないといえるか等慎重な判断が必要です。

(1)期間の定めのない雇用契約を締結している社員(いわゆる正社員)について

従業員の解雇については労働契約法の制限があり、解雇が「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効」(労働契約法16条)となります。
そして、本件のように売上の減少等の経営上の理由で人員削減による解雇(いわゆる整理解雇)を行う場合には、従業員の落ち度による解雇ではないため、より厳格に解雇の有効性が判断されます。整理解雇の有効性については、一般的に以下の4つの要素を考慮して判断します。

・人員整理の必要性
・解雇回避努力義務の履行
・解雇する従業員選定の合理性
・手続の相当性

具体的には、新型コロナウイルスによる売上の減少等が存在する以上、人員整理の必要性については認められる可能性が高いと考えられます。
しかし、解雇回避努力を尽くしたかという点は、特に慎重な判断が求められます。
経費の削減、役員報酬の削減、新規採用の見直し、配置転換、休業、残業の抑制、賃金等の引き下げ、希望退職の募集等、解雇を回避する為にいかなる手段を講じることができるかを会社は検討しなければなりません。また、新型コロナウイルスの影響により休業した場合の休業手当については、雇用調整助成金等の公的支援を受けられる場合があります。その他にも受けられる支援があればその利用を検討もする必要があります。このような制度を利用しているかも解雇回避努力を尽くしているかを判断する上で重要といえます。
さらに、解雇する従業員の選定についても合理的な基準が必要となります。具体的には、勤務成績、年齢、勤続年数等が基準として考えられます。最後に、従業員に対して、解雇の必要性、解雇回避の措置、解雇対象者の選定方法及び退職の際の条件等について誠実に説明することが必要です。
以上の通り、整理解雇を実際に行うかは、4要素を踏まえて慎重に検討し、判断することが重要となります。
(2)期間の定めのある雇用契約を締結している社員(いわゆる契約社員やパートタイマー)について

期間の定めのある雇用契約を締結している社員(以下「契約社員等」といいます。)の解雇については、

雇用契約を締結している社員(以下「契約社員等」といいます。)の解雇については、「使用者は、期間の定めのある労働契約(以下この章において「有期労働契約」という。)について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」(労働契約法17条1項)

という制限があります。
以上の通り、「やむを得ない事由」の存在が必要なため、正社員を解雇する場合よりもより厳格な判断が必要となります。そのため、契約社員等については、解雇ではなく、期間満了による契約終了(いわゆる雇い止め)を検討することが望ましいといえます。

「 休業補償一般について 」のQ&A一覧

A–

新型コロナウイルスの影響といえども、会社が従業員を休ませる場合には、ほとんどのケースでは平均賃金の6割以上の休業手当を支払う義務があると考えられます。

(1)会社が従業員を休ませる場合には、その理由が使用者にあるか、従業員にあるかで休業手当を支給すべきかが変わってきます(民法536条1項及び2項)。
まず、休業の理由が、使用者又は従業員どちらにもない場合には、使用者は従業員に対して給与を支払う必要はありません(民法536条1項)。もちろん、就業規則や雇用契約で異なる定めをおけば、それに従うことになります。

(2)次に、休業の原因が従業員にある場合には、従業員の債務不履行であるため、給与を支払う必要はありません。

(3)最後に、休業の原因が使用者にある場合には、従業員に対して原則として賃金全額を支払う必要があります(民法536条2項)。もっとも、この民法を理由とする賃金の支払いについては、就業規則や雇用契約等で異なる定めをすればその内容に従い賃金を支払えば良いということになります。

ただし、労働基準法26条において「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」と定められています。そのため、就業規則や雇用契約の規定にかかわらず、同条に定める「使用者の責に帰すべき事由」が認められる限り、会社は少なくとも平均賃金の6割以上の手当を支給しなければなりません。

そして、ここでいう「使用者の責に帰すべき事由」には、不可抗力を除いて会社側に起因する経営、管理上の障害も含まれると解されており、かなり広く同事由が認められます。そのため、多くの場合に労働基準法26条の「使用者の責に帰すべき事由」が認められることとなります。

したがって、単に新型コロナウイルスを理由とする休業にあっては、同条に定める休業手当を支払う必要があると判断されるケースが多いと考えられます。具体的な場合わけについては、本Q&A以下のQ&Aを参照していただければと思います。

なお、休業手当については、雇用調整助成金の利用を検討することをお勧めします。当事務所においても随時ご相談を受けておりますので、気軽にご相談いただければと思います。

「 テレワークの導入に必要な手続きについて 」のQ&A一覧

A–

労働条件に変更がなければ、必ずしも就業規則の修正は必要ありません。しかし、労務管理や通信費の負担など通常の勤務とは異なる点が存在するのであれば、就業規則を修正する必要があります。
また、テレワークをこれまで実施したことがない場合、テレワークに関するルールが不明瞭となるおそれがあるため、基本的には、テレワークに関する規程を新たに作成することをお勧めします。

(1)テレワークとは、一般的に情報通信技術(I C T)を活用し、自宅や事業所とは異なる場所で仕事をすることをいいます。
また、テレワークの種類としては、自宅で仕事をする在宅勤務、仕事の移動中やカフェ、空港のラウンジなどで仕事をするモバイル勤務及び本拠地のオフィスから離れた場所に設置したオフィスで仕事をするサテライトオフィス勤務とがあります。
また、テレワークの導入により、通勤時間の短縮や育児・介護と仕事の両立などのメリットがあります。
そして、育児・介護と仕事が両立できるとなれば、これまで育児・介護を理由として就業をできなかった人も働けるようになり、人手不足解消の一助となるといえます。

(2)テレワークを導入するにあたっても、当然、労働基準法等の労働基準関係法令が適用されます。そのため、テレワーク導入にあたっては、これらの法令を遵守するためのルールが重要となります。
まず、会社は、従業員に対して、雇用契約締結時に労働条件を明示しなければなりません。そして、明示の対象として、就業の場所も含まれます。
そのため、在宅勤務の場合には、就業場所として従業員の自宅を明示する必要があります。既に雇用契約を交わしている場合には、雇用契約書の記載から、就業場所の変更が可能と解釈できない時は契約書の内容の修正も検討すべきです。
また、会社は、労働時間を適正に管理する義務を負っているため、従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録する必要があります。
テレワークは事業所での業務とは異なり、事業所の外という会社の目が直接届かない場所での業務となります。そのため、始業終業の時間の記録の方法なども自然と異なってくる考えられることから、労働時間の管理についてのルールも策定する必要があります。
就業規則についても、労働時間やその他の労働条件を変更するのであれば、変更が必要です。
特に、テレワークを命じるための根拠規定やテレワークをする場合の通信費及び情報通信機器等の費用負担について規定がない場合には、就業規則にこれらの規定もあらかじめ定めておく必要があります。
その他にも会社で管理している情報を持ち出すことも想定されますので、その管理に関する規定も必要となってきます。

(3)以上の通り、テレワーク特有の問題があるため、ルールの明確化という意味でもテレワークに関する規程を別途作成することをお勧めします。
なお、テレワーク導入するに関する助成金制度も存在しますので、就業規則等の修正とともにご相談いただければと思います。

「 テレワーク 実働管理に関して 」のQ&A一覧

A–

テレワーク中の社員に出社を命じることの可否

出社を命じることはできますが、出社を命じる必要性と相当性を説明できるようにしておくこと、コロナ対策の合理的な配慮をすることが望ましいでしょう。

使用者は、労働契約に基づいて指揮命令権を有しており、労働者は使用者の命令が相当なものである限り、従う義務があります。もっとも、使用者の業務命令権も無制約に認められるものではなく、生命・身体に対する重大な危険が存在する場合は就労義務を負わない場合があります(千代田丸事件・最判昭和43年12月24参照。) たしかに、緊急事態宣言下において出社のために外出することには一定のコロナへの罹患リスクがあることは否定できませんが、直ちに生命・身体に対する重大な危険が存在する場合にあたるとまではいえません。
会社としては、出社の必要性・相当性を十分に説明できるようにしておくとともに、感染リスクを低減するための時差出勤等コロナ対策の合理的な配慮をすることが望ましいでしょう。

A–

テレワークであったとしても通常勤務と同様、労働関係法令の適用を受けます。従って、労働時間管理が難しいことが多く、自己申告制によらざるを得ないことが多いでしょう。

自己申告制による場合のデメリットは、正確な労働時間の申告となっているのか確認することが難しかったり、オーバーワークが生じている点を使用者が看過してしまう点等が挙げられます。 そこで、テレワークを実施している労働者に対し、常時情報通信機器を通じて労働状況を管理することが考えられます。また、始業と終業の報告を業務日報等の書類を提出させることを徹底することも上記デメリットをなくす方策といえましょう。
また、いわゆる「事業場外みなし労働時間制」を適用することも考えられます。これは、労働者が労働時間の全部または一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす制度です。
ただし、この制度は、情報通信機器を通じた使用者の指示に即応する義務がない状態であることや、随時使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っている訳ではなこと等の条件を満たしていなければ、適用できるものではありませんので、その運用には注意を要します。

A–

テレワークを導入した場合、会社に出勤した場合と全く同様に勤怠管理を行うことはできません。勤怠管理ツールを使用することで、職場と同様の環境を構築することはできますが、それにも限界があります。
テレワークを導入するのであれば、就業規則を変更するとともに、人事評価制度を改めることも検討した方がよいでしょう。

A–

社員が怠けることは完全に防ぐことはできません。

しかし、会社に出勤した場合も、社員の勤務状況を逐一把握してはいないはずです。勤怠管理ツール等を用いることにより、職場と同様の環境を構築することで社員が怠けることを防止することも可能です。

「 雇用調整助成金に関して 」のQ&A一覧

A–

通常であれば、休業等実施計画届を労働局等に提出することが必要ですが、
新型コロナウイルス感染拡大に伴い特例措置が出され、令和2年6月30日までは休業等実施計画届を事後提出することが可能となっています。
そのため、休業を実施し、労働者に休業手当を支払った後に、休業等実施計画届と支給申請書を同時に提出することが可能となっています。
書類の作成方法等、ご不明な点もあるかと思います。当事務所が提携している社労士により手続代行も可能ですので、詳細についてはお問い合わせください。

A–

事業者が労働者に対して支払った休業手当の金額に応じて、受給できる金額は変わります。

受給金額の計算方法は、

①1日の平均賃金額に、
②休業手当の支払率(60~100%)
③、助成率を乗じて1日あたりの助成額単価を求めます。

この助成額単価に従業員を休業させた休業延べ日数を乗じた総額が助成額になります。
なお、1日あたりの助成額単価には上限がありますのでご注意ください。

A–

雇用調整助成金を受け取れるのは使用者です。

企業が労働者の雇用を維持することを促進するための制度ですので、労働者個人が助成金を受け取ることはできません。
なお、会社役員や自営業における家族従事者等は、労働者ではないため休業を理由に手当を払っても企業が助成金を受け取ることはできませんのでご注意ください。

A–

雇用調整助成金に関する特例措置が出されたからです。

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全国的に企業活動の自粛・抑制が求められているため、事業活動の縮小を余儀なくされる事業者が多発することが予想されています。そこで、雇用調整助成金の受給要件や助成率等についての特例措置が出され、雇用を維持しようとする事業者にとって、より利用しやすい制度となっています。

A–

企業が支払った休業手当について、一定額を援助する制度です。

経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされる事業者が、従業員を解雇することなく雇用を維持できるようにすることを目的とした制度になります。

「 時差出勤について 」のQ&A一覧

A–

時差出勤を行うにあたり、①就業規則、雇用契約書がある場合には、始業終業時刻の変更が可能とされる条項の有無を確認する必要があります。同条項がありましたら、これに従い、時間の指定を行い、時差出勤を命じることが可能です。
また、就業規則に上記条項の定めがない場合には、不利益変更に当たり得ますので、就業規則の変更や従業員の個別の同意が必要となります。
なお、以下では、時差出勤と類似のフレックスタイム制にも触れながら、時差出勤のポイントをご説明いたします。

(1)時差出勤とフレックスタイム制の違い

ア 時差出勤
時差出勤とは、出勤時間を所定始業時間より早くする、あるいは遅くすることを指します(これに伴い、終業時間の変更もあり得ます)。
目的は、もともとは、満員列車等の混雑時間を避けて出勤することで、通勤における従業員の負担を減らすことが想定されておりました。ただし、新型コロナウィルスの感染防止策として、クラスタのリスクが高い満員電車等の3密をさける手段として、採用を考える企業が増えております。

イ フレックスタイム制
フレックスタイム制とは、一定期間(3ヶ月以内とされております)の単位期間のなかで、会社と決めた労働時間(契約時間)を労働することを条件に、労働時間の開始、終了を決めることができる制度です。
通常はコアタイムというものを決めた上で(ただし、定める義務があるわけではありません)、コアタイムは勤務し、それ以外は従業員の選択に委ねることが多いように思われます。

ウ 違い
フレックスタイム制を導入するためには、就業規則に同制度の規定を導入しておき、かつ労使協定を締結し、対象となる労働者の範囲、単位期間、総労働時間等を定める必要があります。一方で、時差出勤の場合、通常就業規則に始業時刻の変更できる旨の規定を入れていることが多いため、フレックスタイム制と比較し、容易にこれを導入することができます。 なお、始業時刻の変更等に留まりますので、労働時間等の変更は特にありません。

(2)最後に

時差出勤は、会社の業務命令として、通常はこれを命じることは可能ですが、これは従業員にとって負担になり得ます。最終的には、個々の従業員と協議し、個々の従業員の実情に応じて出勤時間を変更するほうがよいかと思います。

「 コロナを理由とした不当な差別について 」のQ&A一覧

A–

不当な差別(労基法3条参照)に該当しますので、出勤停止等の業務命令は違法であるとして、損害賠償請求の対象になり得ます。

<不当な差別について>
労働基準法等は、使用者が労働者の国籍、信条等を理由として、労働条件についての差別を禁止しております。
問題は、何をもって差別と判断されるのか、という点になりますが、新型コロナウィルスの感染の可能性を、合理的根拠をもって指摘できるようにはしておくべきです。
従いまして、新型コロナウィルスの感染人数が多い地域出身、というだけでは、新型コロナウィルスの感染に感染していることとは無関係であるため、これを理由とした扱いは、差別と捉えられる可能性が高いと言わざるを得ません。
一方で、新型コロナウィルスの感染者と接触した者と接触した場合等、微妙な問題もあり得ます。
従業員の行動(例えば、新型コロナウィルスの感染者が発生したイベントへの参加)や、発熱の有無等、可能な限り、従業員の申告に基づき、正確に情報を収集し、これに基づいた判断を行うようにしていただければと思います。

最後に、使用者は可能な限り、厚労省等の新型コロナウィルスの感染についての情報を収集し、従業員の方には、新型コロナウィルスの感染者にならないよう、私生活の行動も含め、注意喚起を行うとともに、新型コロナウィルスの感染についての理解を深めていただくことが、差別行為を防ぐ重要なポイントといえるかと思います。

「 自宅待機命令について 」のQ&A一覧

A–

各企業について対応が異なります。
自宅待機命令中の従業員への支払いについて、従業員に対して給料全額を支払うべき場合、従業員に対して休業手当を支払うべき場合、従業員に対して一切支払いを行う必要がない場合に整理できます。
新型コロナウイルスの影響の大きさからしますと、業態によっては、従業員に対して一切支払いを行う必要がない場合もあり得ます。しかしながら、従業員の生活やモチベーションの維持への配慮も必要となりますので、具体的対応は弁護士にご相談ください。

A–

可能です。
従業員には就労することを請求する権利はありませんので、昨今の情勢からしますと、自宅待機命令の必要性は認められるものと考えられます。

「 従業員から休暇の申し出があった場合 」のQ&A一覧

A–

支払う必要はありません。
新型コロナウイルスか明らかでない以上、通常の欠勤と同様に扱い、
死病休職制度がある企業の場合は制度を活用することが考えられます。
もっとも、昨今の情勢に照らしますと、従業員の不安に対する配慮も必要となります。具体的な対応は弁護士にご相談ください。

「 取締役会開催の対応について 」のQ&A一覧

A–

会社によって異なります。
取締役会を開催せず、書面決議で済ませるためには、会社の定款に書面決議に関する規程があることが必要です。書面決議を行う場合、取締役会決議の目的事項に関する同意をどのように取得するか、監査役の異議を述べる機会をどのように確保するか等、取締役会を実際に開催する場合とは異なる配慮が必要となります。
具体的な対応については弁護士にご相談することをお勧めいたします。

A–

可能です。
取締役会の開催場所については法定されておりません。したがって、テレビ会議等を利用して取締役会を開催することも、参加者が適時的確な意見表明ができる仕組みとなっている限り、許容されると考えられます。
ただし、全員がリモートで出席することも可能かについては議論の余地があります。
具体的な対応については弁護士にご相談ください。

「 コロナの感染のおそれを理由とする配転命令の拒否について 」のQ&A一覧

A–

1. 配転命令の根拠

日本の雇用契約では、長期雇用慣行の下、期間の定めのない契約を締結した正社員は、職種や勤務地の限定なく採用され、広範囲な配置転換が行われていくことが通常です。
このように、正社員としての雇用は、その企業のメンバーとして採用されるということにほかならず、職務内容や勤務場所は、使用者の命令によって定まることになります。
このような労働者の職務内容や勤務場所を定める権限のことを配転命令権といい、一般的には就業規則に「会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び従事する業務の変更を命ずることがある。」といった規定があり、これが配転命令の根拠となります(労契法7条本文)。

2. 配転命令の限界

もっとも、使用者の配転命令は労働者の生活に影響を与えることから無制約に許されるものではなく、
①配転について業務上の必要性が存しない場合、
②業務上の必要性が存する場合であっても配転が他の不当な動機・目的をもつてなされたものであるとき、若しくは
③労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を負わせるものであるとき等、特段の事情の存する場合でない限りは、当該転勤命令は権利の濫用になるものではない、と解されています(東亜ペイント事件、最判昭和61年7月14日)。

この点、配置転換の業務上の必要性とは、余人をもつては容易に替え難いといつた高度の必要性に限定することは相当でなく、労働力の適正配置、業務の能率増進、労働者の能力開発、勤務意欲の高揚、業務運営の円滑化など企業の合理的運営に寄与する点が認められる限りは、業務上の必要性の存在を肯定すべきである、と解されています(前景東亜ペイント事件参照)。

3. 本件への対応
本件では、コロナ感染症が流行する前からローテーション人事として決まっていた配置転換ですから、業務上の必要性は優に認められますし、不当な動機・目的も認められないと思われます。 加えて、総務から営業職に変わることによって、お客様との接触の機会が増える可能性がある、ということが労働者に対し通常甘受すべき程度を著しく超える程度の不利益を負わせる、といえるかが問題となりますが、職種が営業に変わることだけで通常甘受すべき程度を著しく超えるとまでは言えず、配置転換を命じても違法となることはないと考えられます。

もっとも、現在全国に緊急事態宣言が出されている中で、コロナへの罹患リスクを避けたい、という考え自体は当然のものであるといえます。
配置転換自体には問題がなくても、営業部の社員に対して、コロナの罹患リスクを減らすための方策をとっているか、という点は使用者の負う安全配慮義務として当然のことでしょうし、当該社員に対しても、会社として、極力顧客への訪問の機会を減らすための手段を講じるなどすることが従業員に対する配慮としても必要になってくるでしょう。

A–

可能です。
取締役会の開催場所については法定されておりません。したがって、テレビ会議等を利用して取締役会を開催することも、参加者が適時的確な意見表明ができる仕組みとなっている限り、許容されると考えられます。
ただし、全員がリモートで出席することも可能かについては議論の余地があります。
具体的な対応については弁護士にご相談ください。

「 コロナを理由に派遣契約を解消する場合の対応について 」のQ&A一覧

A–

1. 派遣契約の内容
派遣労働契約では、派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置その他の労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項を定めなければならない、とされています(労働者派遣法26条1項8号)。
また、労働者派遣の役務の提供を受ける者は、「その者の都合による」労働者派遣契約の解除に当たっては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない、とされています(労働者派遣法29条の2)。
これらの規定及び「派遣先が講ずべき指針」(平成11年労働省告示第138号)から、派遣労働契約においては、通常以下のような規定が設けられるのが通常です。

(1)労働者派遣契約の解除の事前の申入れ
派遣先は、専ら派遣先に起因する事由により、労働者派遣契約の契約期間が 満了する前の解除を行おうとする場合には、派遣元事業主の合意を得ることは もとより、あらかじめ相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申入れを行うこと。

(2)派遣先における就業機会の確保
派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に派遣労働者の責に帰 すべき事由以外の事由によって労働者派遣契約の解除が行われた場合には、当該派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。

(3)損害賠償等に係る適切な措置
派遣先は、派遣先の責に帰すべき事由により労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新た な就業機会の確保を図ることとし、これができないときには、少なくとも当該労働者派遣契約の解除に伴い当該派遣元事業主が当該労働者派遣に係る派 遣労働者を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を行わなければならないこと。
例えば、当該派遣元事業主が当該派遣労働者を休業させる場合は休業手当に相当する額以上の額について、当該派遣元事業主 がやむを得ない事由により当該派遣労働者を解雇する場合は 、派遣先による解除の申入れが相当の猶予期間をもって行われなかったことにより 当該派遣 元事業主が解雇の予告をしないときは30日分以上、当該予告をした日から解雇の日までの期間が30日に満たないときは当該解雇の日の30日前の日から当該予告の日までの日数分以上の賃金に相当する額以上の額について、損害の賠償を行わなければならないこと。
その他派遣先は派遣元事業主と十分に協議した上で適切な善後処理方策を講ずること。また、派遣元事業主及び派遣先の双方の責に帰すべき事由がある場合には、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること。

(4)労働者派遣契約の解除の理由の明示
派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行う場合であって、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を当該派遣元事業主に対し明らかにすること。

2. 本件での注意点
上記のとおり、派遣先が派遣会社に対して派遣元が派遣労働者を休業させる場合の休業手当に相当する損害以上の額について損害賠償をしなければならないのは「派遣先の責に帰すべき事由」に基づいて派遣契約を中途解約する場合に限られています。
このため、派遣先の責めに帰すべき事由がないといえる場合であれば休業手当相当額の損害賠償は不要となると解されます。この点は、自社の業務がテレワークや配置転換により業務の継続が可能かどうかによって判断されることとなり、これらが可能であるにも関わらず派遣先都合で休業する場合は休業手当相当額の損害賠償義務を負うこともあると思われます。
なお、派遣先が即時解除を行う場合は、解雇予告手当相当額の損害賠償義務を負う場合があるため、派遣元とよく協議することが重要です。

「 コロナを理由にした派遣先の休業と派遣労働者への休業手当の支払い義務 」のQ&A一覧

A–

労基法上の休業手当の支払い義務は派遣元が負っています。
おそらく、派遣元は、派遣先指針を根拠に休業手当相当額の支払いを求めているのだと思いますが、派遣先が派遣会社に対して派遣元が派遣労働者を休業させる場合の休業手当に相当する損害以上の額について損害賠償をしなければならないのは「派遣先の責に帰すべき事由」に基づいて派遣契約を中途解約する場合に限られており、本件では、その要件にあたりませんので、貴社に支払い義務はないと考えられます。
もっとも、コロナの影響で景気が悪化していることを理由に自主的に休業を決めた場合、派遣契約に基づいて派遣料金の支払い義務を負う場合もありますので、契約内容をよく確認してください。

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