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解決事例

【134】年俸制を採用していた会社に対し、退職した従業員が未払残業代を請求した事案

2020/05/22
相談分野
労務問題
業種
建設業

1. 相談内容

A社で正社員として勤務していた従業員Bが、自主退職後、在職中に支給されなかった残業代を、代理人弁護士を通じてA社に対して請求した。
ところで、A社は年間を通して支払われる基本給、残業代、賞与等を固定給として設定のうえBと雇用契約を結んでおり、いわゆる「年俸制」を採用していたことから、Bが所定労働時間を超えて残業していたとしても、それに対する残業手当を別途支給していた訳ではなかった。
なお、A社としては、Bの就労の在り方や能力面から本来必要でない残業であったとの認識があるほか、Bが断続的に遅刻している実態があるもかかわらず日々同じ始業時間で業務日報等を提出しており、これを残業代請求の基礎にしているとの認識を有していた。

2. 争点

年棒制の有効性
日々提出されていた業務日報は残業代請求の根拠となるか。

3. 解決内容

A社がBに対して当初請求額を減額した額を支払う内容で、交渉による和解が成立。

4. 弁護士の所感

年俸制は、1年間にわたる仕事の成果によって翌年度の賃金額を設定しようとする制度であり、労働時間の量に着目した制度ではありません。
従って、原則として、年棒制を採用し、使用者側がその中に残業代を組み込むとの制度設計をして従業員との間で雇用契約を締結したとしても、そのことと労働基準法が定める時間外労働の割増賃金に関する規定とは無関係であり、時間外労働の割増賃金支払義務を免れることはできません。

同様のことは「固定残業代制」を採用している場合にもあてはまります。
他方、本件は従業員本人が作成する業務日報を基礎として残業代請求をされた事案ですが、その業務日報の一部が労働実態に合致した内容になっていなかったため、その点を使用者側として反論した上で、減額交渉をしました。
また、能力不足によって通常の従業員よりも労働時間を多く要する結果、残業代が膨らんでいるという特殊事情もありました。

しかしながら、仮に能力不足によって就業時間が長きにわたったとしても、残業代を減額させる根拠にはならないことに注意が必要です。
能力の有無は使用者側による業務量の調整の問題にならざるを得ないのが現行法下の状況といえます。

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