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企業法務コラム

労働基準監督署の指導を軽視することは危険!

投稿日:2021/07/13
更新日:2022/07/12
労働基準監督署の指導を軽視することは危険!

1. はじめに

はじめに

弊所は企業や事業主からのご相談を中心に受けておりますが、その中でも最も多いものが労働問題に関するご相談です。特に、問題行動を起こしている従業員に対する対応方法に関するご相談を受けることが多くなっていますが、その中で「従業員が労働基準監督署に相談に行っている」という話に触れることがあります。

ところで、労働基準監督署がどのような機関であるかご存知でしょうか。労基署がどのような機関であり、どのような権限を持つのかを知っておくことは、いつでも労働問題に直面する可能性のある会社・事業主にとって非常に重要です。そこで、本コラムでは、労基署についてご説明します。

2. 労働基準監督署とは?

労働基準監督署とは?

労基署は、一言でいえば、労働基準法をはじめとする労働法規による種々のルールや規制を実効的なものにするために設けられている行政機関の1つです。就業規則を作成した場合にその届先が労働基準監督署になっているのもそのためです。

ところで、先の「従業員が労基署に相談に行っている」との話の中に登場する「労基署に相談」とは具体的には何を意味するのでしょうか。これは、労基署が広く労働に関する相談窓口となっていることに基づきます。つまり、従業員が自らの就業先における就労環境や労働条件における問題について労基署の相談窓口に行かれたことを意味します。

3. 労働基準監督官に与えられている権限とは?

労働基準監督官に与えられている権限とは?

そこで問題になってくるのが、労基署に配置されている労働基準監督官の権限内容です。労働基準監督官には非常に強い権限が労働基準法によって与えられています。代表的な権限に「臨検」と呼ばれるものがあります。

臨検とは、簡単に言えば、就労場所やそれに附属する場所に立ち入り、必要事項を調査したり、関係者に対する聴き取りを行ったりすることをいいます。先の従業員による相談は、それが臨検のきっかけになることもあります。また、臨検は労基署による事前の告知を伴わないこともあることから、就労実態をより鮮明にする調査を可能とする権限ともいえます。また、労働基準監督官には、使用者に対し労働に関係する書類(例えば、労働条件通知書や労使協定、タイムカード、賃金台帳等)に提出を求める権限や当事者に対する尋問を行う権限が与えられることから、臨検の際には同時にこのような権限に基づく指示を労働基準監督官から受けることもあります。

4. 労働基準監督署による是正勧告を受けるとどうなる?

労働基準監督署による是正勧告を受けるとどうなる?

また、臨検等による調査・確認を経て、労働基準監督官が必要と判断した場合には、使用者に対し、是正勧告書等が交付されます。是正勧告書は、文字通り「是正の勧告」ですので、その交付を受けたことにより直ちに法律上の制裁等を受けるものではありませんが、速やかに指摘事項を是正のうえ、その報告書を提出しなければ場合によっては、具体的な制裁がなされる可能性があります。

それでは、具体的な制裁とはどのようなものでしょうか。これを考えるにあたり、会社・事業主にとって把握しておくべき労働基準監督官の権限として、労基法違反の罪についての司法警察官としての職務を行い得ることを認識いただくことが必要です。すなわち、労働基準監督官は、労働基準法等の違反の罪については、通常の警察官と同様に、逮捕する権限が与えられているほか、差押えや検証をはじめとする捜査活動を行うことができます。結果として、最悪の場合、会社・事業主に対し、刑事的な罰則が科されることになりますので、注意を要します。そして、刑事的罰則はそれ自体もインパクトの強いものではありますが、より深刻な問題として会社や事業主に対する風評やイメージダウンという事実上の不利益を受ける点を看過することができません。

5. 労働基準監督署による指導を受けた場合の対応策

労働基準監督署による指導を受けた場合の対応策

仮に労働基準監督署に対し従業員が相談に行かれた場合や、それを契機に会社に調査が入った場合であっても、それ自体から直ちに会社が不利益を受けるわけではありません。しかし、労働基準監督署による調査に応じなければならない間の人的・時間的なコスト、精神的な負担等を考えると、労働問題に関する不安はそのような対応を迫られる前から常に払拭しておくことが理想であることに変わりはありません。

例えば、交付義務のある労働条件通知書がしっかり作成されているか、就業規則は従業員に周知されているか、タイムカードの運用等労働時間管理に必要な措置は適切に講じられているか、36協定に違反する時間外労働がないか等、よく耳にする問題だけでも枚挙にいとまがありません。これらの諸問題につき、日々管理されていれば何ら心配することではありませんが、このような管理ができていない、あるいは管理したいが何から着手すればよいか分からない等のご不安がある場合には、是非弊所までご相談ください。

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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