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親事業者による支払遅延

企業法務

2015/03

大武英司

前回から下請法が禁止している親事業者の行為について説明しておりますが、今回は親事業者による下請代金の支払遅延の禁止について触れます。

ところで、皆様には、親事業者から下請代金が支払われないというご経験はありませんか?
私が日々弁護士業務をしていて、企業様や法人事業主様から最も多く受けるご相談内容が『債権回収に関する問題』ですが、支払遅延に対する事前予防については考えさせられる一大テーマです。

下請法第4条1項2号では、「下請代金をその支払期日の経過後なお支払わないこと。」を親事業者の禁止行為として挙げられております。
問題は「支払期日」をどうするかですが、これについては同法第2条の2で「親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して、60日の期間内に」定めなければならない旨規定されています。

親事業者が注意しなければならないのは、
①支払期日の定めを書面で明らかにしていない場合において、給付を受けた日に下請代金を支払わないときや、②給付を受ける日から60日を超えて支払期日を定めている場合において、60日以内に下請代金を支払わないときなどにはいずれも支払遅延に該当するということです。

すなわち、起算日が「下請事業者から給付を受けた日」になりますので、下請事業者からの給付内容について親事業者が検査や検収をすることを予定した契約を結んでいたとしても、あくまで給付を受けた日から60日がカウントされることになるのです。また、60日という期間制限は厳格に課されておりますので、例えば「月末締めの翌々月払い」という契約内容とした場合には、給付を受けた日からカウントすると60日を超えてくる場合がほとんどとなり、支払遅延にあたります。

このように、日常的に行われている業務委託もよくよく精査してみると、下請法違反となる事例が非常に多く存在します。下請法違反が認められると公正取引委員会から勧告を受けるだけでなく、違反内容によっては親事業者のみならず、その代表者や担当者にまで罰金が課せられる仕組みとなっておりますので、下請法の最低限の知識は不可欠といえます。仮にこのような処分を受けるまでに至らなくとも、下請法上の遅延利息は、公正取引委員会規則で年14.6%と定められており非常に高額となっておりますので、なおさら注意を要します。

当事務所では下請法セミナーを4月22日に開催致します。是非皆様には積極的にご参加頂き、事前予防の観点から日々の取引内容の見直しをする機会として頂きたく存じます。
次回は、「下請代金の減額禁止に関するトラブル」について触れる予定です。

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