株式会社SOOM 様

楽しいこと以外はしない

1.社長紹介

代表取締役　小西　裕也　様

　大学院では化学を専攻し、卒業後は繊維会社に入社されました。「研究者として物を理解し、営業でそれを売る経験をした上で起業したい」と考えていたため、開発職を経て営業職に転身されます。経営者として営業力をさらに磨く必要性を感じ、営業会社に転職して年間400人以上の経営者と面談を重ねられました。その中の一人が現在の役員であり、この出会いから、鹿児島の自然を生かした化粧品ブランドを展開する会社を興すこととなりました。

2.事業紹介

　鹿児島の自然と手仕事で作る100%自然由来のコスメブランド「TE.ON（テオン）」を主軸事業としています。栽培から原料作りまでを自社で一貫管理するのが特徴です。また、現在、岩手県大船渡市の会社とも連携し、椿の葉を燻して作る「椿茶」や、ワカメの茎をパウダー化したものからできる栄養価の高い塩を、日本全国のオーガニックスーパーで販売していこうと準備しています。

3.過去にあった危機とその克服

　ピンチしかありませんが、一番は創業当初です。化粧品事業は、先に仕入れ、それを売って初めて売上が出るので、売れなければ次の仕入れも生活もできないというキャッシュフローの厳しさがありました。真冬に百貨店の前で朝から晩までポップアップ販売をしたり、1日30軒の美容室に飛び込み営業をしたりして、とにかく営業に奔走しました。そのような営業を続けて、2～3ヶ月で取扱店舗が数百店舗に拡大し、売上も増え、社員を雇えるようになって軌道に乗れました。この頃は本当に大変でしたが、今思うと楽しかったです。

4.社長にとって経営とは

　会社は、社員が幸せになれる「プラットフォーム」でありたいと考えていて、経営とはその「手段」であると思っています。社員には、自分のやりたいことをやって夢を叶えていってほしいですし、その基盤が会社だと思います。実際に、彼らには自分が「社長」になったように動いてもらい、どんどん任せて自由に楽しくやってもらっています。そして、将来的なビジョンとしては、このような幸せの基盤を、社員とその家族だけでなく、日本や世界にも広げていくことが理想です。海外で無償の病院を運営するような方がいらっしゃいますが、私もそういう人間になりたいと思っています。

5.今後のビジョン

　今後は「椿茶」を世界的なブランドへと成長させるため、椿をモチーフにしたシャネルのカメリアラインとのコラボレーションを視野に入れています。また、「TE.ON」に関しても海外展開を目指しています。日本の農家の原料を使い、日本の工場で作っている点が海外でも珍しい価値観として評価されると思います。すでに、BEAMS
JAPANさんのセレクトショップと連携してロサンゼルス、そしてパリにも出店される計画があります。また、企業としては、世の中に与える幸せの基盤を広げるために、早く100億円企業を目指したいです。

6.インタビュアーの声

　「楽しいこと以外はしない」というお言葉が印象的でしたが、「嫌なことも楽しむ」ともおっしゃっていました。真逆の考え方のように思えますが、1日30軒の美容室に飛び込み営業をするような苦難の時期を経験されたからこそ、いま大きな夢に向かうことができ、苦労も楽しめるのだと思います。これからその夢を叶えていかれるのを、私も楽しみながら応援させていただきたいと思いました。