企業法務コラム
事業承継について
更新日:2019/10/27
その他
弁護士:佐藤寿康
弁護士の佐藤寿康でございます。次のような事例で考えてみたいと存じます。
「Xは、製菓会社の社長をしています。
息子Aが跡を継ぐために大手企業を退職し、3年前に入社しました。この製菓会社は、一時はXが会社に2500万円を貸し付け、運転資金にしていたところでした。しかし、現在は、息子Aの営業活動や新商品開発のかいがあり、急速に業績が上がり、相当の黒字となっています。
そのような中、社長Xが急死してしまいました。
Xには、妻Y、息子A、娘Bがいます。この製菓会社の株式は、Xが8000株、Aが7000株、YとBが1000株ずつ保有していました。また、会社の社屋とその敷地はX個人の所有で、会社はXから社屋を月額150万円で貸借していました。」
事業承継対策をしていないとどのようになることが考えられるでしょうか。この点については、10月のセミナーで触れようと考えております。
事業承継は、経営者にとって、最後の大仕事です。これまで経営者を中心に回ってきた状態のものが、当該経営者がいなくなったとき、親族や幹部を仲裁する人がいなくなってしまいます。また、業績を上げたことが後に争いを大きくする結果となってしまいかねません。したがいまして、事業承継対策をきちんと行うことが肝要です。
事業承継対策には、相続対策による方法、会社法のスキームを利用する方法、M&Aを利用する方法などがございます。10月のセミナーでは、「事業承継 相続編」をテーマに、相続対策による事業承継について、お話をさせて頂く予定です。その際には、事業承継をより確実にする方法はどういうものか、現実にとれる方法はどういうものか、それぞれを比較するとどうかといった検討も、御参加くださった皆様とともに行いたいと考えております。
事業承継をテーマにしたセミナーは、追って「会社法編」、「M&A編」も行おうと考えておりますが、お時間が許されましたら、10月のセミナーでも触れたいと考えております。どうぞよろしくお願い致します。
監修者
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