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取締役の責任

会社法は改正前の商法 とは異なり、株式会社の取締役が負うべき責任を、原則として過失責任としました。

また、改正前の商法では、取締役会の議題となった特定の行為の是非につ いて、取締役会決議賛成した取締役もその行為をしたものと見なす、と定められていましたが、その規定も削除されました。

1. 経営判断の原則

経営者は会社の経営について日々様々な判断を要求されますが、会社の経営として行った取引に失敗して会社に損害が発生した場合に、常に経営者が会社または株主から損害賠償を請求され、巨額の損害賠償責任を負わなければならなくなるというのは妥当ではありません。

経営判断は非常に複雑であり、常に損失を出さないということは事実上不可能であるにもかかわらず、これを事後的に評価して法的責任を問うことは、経営者を萎縮させ、かえって企業のためにならないからです。

そこで、経営判断の原則というものが認められています。

経営判断の原則とは、取締役が取引を行う前に、その取引によって被るリスクがどの程度のものであるかについて慎重に判断をして、取締役の裁量権の範囲内において決断した場合、たとえ結果が失敗に終わったとしても法的責任は問われない、という原則です。

この経営判断の原則の適用が認められるためには、その行為がなされた当時における会社の状況並びに会社を取り巻く社会、経済、及び文化等の情勢の下において、
その会社が属する業界における通常の経営者の有すべき知見及び経験を基準として、

 ① 経営判断の前提としての事実の認識に不注意な誤りがなかったこと
 ② その事実に基づく行為の選択決定に著しい不合理がなかったこと

が必要です。
これらの要件を充足している場合には、仮に結果が失敗に終わったとしても、取締役は損害賠償責任を免れることができます。

2. 経営判断の原則の適用

裁判官が取締役に法的責任を認めるのは、「リスクの検討をしていない場合」と「リスクの検討が不十分な場合」です。

ですから、まずは主管部門からリスクについて検討した詳細な資料を取締役会宛に提出させ、取締役会において、提案された案件についてリスクを検討し、一定のリスクは認められるけれども、それを上回るメリットを見込むことが出来るか否か十分検討し、万一、取引が失敗した場合の対応策、撤退スキーム等についても十分な考察をすることが重要となります。

また、多くの企業は、取締役会議事録に「第○号議案を審議し、一同、異議無く承認した。」という簡素な議事録を作成するに留め、議論の過程を議事録に記録していません。しかし、裁判所に経営判断の原則の適用を認めてもらうためには、「リスクが具体的に検討されており、それに対する対応策が記載されている証拠資料」が必要になります。

訴えを提起された後になって、「当時はリスクとメリットについて十分考えていました」などと主張しても、確実な証拠が無いため、裁判所に経営判断の原則を適用してもらうことが困難になってしまいます。

経営判断を行った当時に、しっかりと情報を収集し、分析し、検討を行っていたのであれば、それを証明できるように、きちんと書面化しておく必要があります。

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