企業法務コラム
知的財産に関する紛争の責任
投稿日:2024/08/22
更新日:2024/08/22
更新日:2024/08/22
弁護士:杉原 悠介
取引契約において、納入した目的物に関して、第三者と知的財産権に関する紛争が生じた場合には、納入業者が紛争解決の責任を負うといった規定はよく見られます。
中小企業庁から、このような知的財産に関する紛争の責任ついての契約条項に関して、見直し等を要請したとの発表がなされました(中小企業庁2024年7月31日付「知的財産権に関する紛争の責任・負担を下請事業者に転嫁する行為への対応について」)。
具体的には、「下請事業者が納入する目的物について、第三者との間に知的財産権等に関する紛争が生じたときは、下請事業者の一切の責任と負担においてこれを処理解決し、親事業者及びその顧客に損害を及ぼさない。」といった契約条項が改善要請の対象とされています。受注側中小企業に知的財産権の侵害責任がない場合(例えば、発注者が決定した仕様に基づき、委託を受けて製造を行っただけの場合)であっても、第三者との紛争解決責任が受注側中小企業に転嫁されるおそれがあることがその理由です。
中小企業庁から「知的財産取引に関するガイドライン」や「契約書ひな形」が公表さていますので、これらを活用して、適切な内容で契約を締結する必要があります。
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