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企業法務コラム

4. 意匠権について【知的財産】

投稿日:2019/10/06
更新日:2023/11/16

(1)意匠権とは

意匠とは、物品の形状、模様もしくは色彩またはこれらの結合であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいいます。

意匠権も、特許権や商標権と同様、登録によってはじめて権利としての効力が発生します。

意匠権は、美感という側面を保護する点で商標権や著作権と似ていますが、その一方で創作を保護するという点では特許法や実用新案法に近いものがあります。

本ページでは、意匠権について簡単に解説をさせていただきます。

(2)意匠権が認められるには

意匠権は登録によってはじめて権利としての効力が発生します。

そして、登録が認められるには、以下のような要件を満たさなければならないと言われています。

  1. 工業上の利用可能性
    量産可能性、ともいいます。量産不可能なものは一般的には著作権の保護対象となります。
  2. 新規性
    意匠の登録出願前に知られていない新規な形状でなければなりません。公知になっていたり、刊行物に掲載されているものは、意匠としての登録が認められません。
  3. 創作が容易でないこと
    出願した意匠そのものが公知でなかったとしても、公知な形状等から容易に創作できる意匠であるならば、やはり意匠としての登録が認められません。
  4. 先願意匠の一部と同一または類似の意匠ではないこと
  5. 公序良俗に反しないこと
  6. 他人の業務に係る物品と混同を生じさせないこと
  7. 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなるものではないこと
    このあたりの規定は、特許法の規定の多くを踏襲しています。

(3)意匠権を侵害されたとき/意匠権を侵害したと主張されたとき

意匠権者は、業として登録意匠及びこれに類似する意匠の実施をする権利を専有します(意匠法23条)。

そのため、意匠権を侵害する者または侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止または予防を請求することができます(意匠法37条1項)。さらに、侵害行為を組成した物や侵害行為に供した設備の除却等、侵害の予防に必要な行為の請求を行うこともできます(意匠法37条2項)。

なお、①業として、登録意匠またはこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いるものの生産、譲渡等、もしくは輸入または譲渡等の申出をする行為と②登録意匠またはこれに類似する意匠に係る物品を業としての譲渡、貸渡しまたは輸出のために所持する行為は、意匠権を侵害したものとみなされます(意匠法38条)。

このあたりの規定も、特許法の規定の多くを踏襲しています。損害額の推定規定(意匠法39条)や過失の推定規定(意匠法40条)が設けられていること、専用実施権や通常実施権の法整備がなされていること(意匠法27条、同28条)も、特許法と同様です。

意匠権は知的財産権の中ではマイナーな権利ですが、著作権で保護されない範囲、特許権や商標権で保護されない範囲をカバーすることができる権利であることを考えると、商品のデザインを守るためにも、積極的に活用すべき権利であると言えます。

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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