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企業法務コラム

投稿者に対する損害賠償請求について

投稿日:2022/08/10
更新日:2023/12/11
投稿者に対する損害賠償請求について

1. 損害賠償請求をする場合の方法

発信者情報開示請求を経て、ネット上の口コミ等の投稿者を特定できた場合、又は、発信者情報開示請求を経ることなく投稿者を特定できた場合、ネット上の口コミを投稿した者に対して、損害賠償請求をすることが考えられます。

この場合、まずは、任意で損害賠償請求を行うことが考えられます。問題となる口コミ等の投稿者に対して、内容証明郵便などを送ることにより交渉を行います。

任意での交渉がうまくいかなった場合には、訴訟を提起して投稿者に対して損害賠償請求を行うことが考えられます。そして、訴訟の中で和解することも選択肢の一つです。

2. 損害について

(1)発信者情報開示請求を経て、投稿者を特定できた場合には、投稿者に対して名誉権侵害などを理由に損害賠償請求を行うことになります。そこでは、損害としてどのようなものを請求できるのでしょうか

まず、企業様の皆様としては、問題となる投稿により会社の売り上げが減少したことから、その減少分を損害と請求したいとお考えになるかもしれません。このような損害は、逸失利益というものですが、裁判所にこの損害を認めてもらうことは極めて困難です。これは、問題となる投稿と損害との因果関係を立証することができないためです。つまり、想定される潜在的な顧客が問題の投稿を理由に、被害者である会社の商品を購入することを断念したことを立証しなければなりませんが、潜在的な顧客であるため、会社からその顧客にアクセスことができません。そのため、逸失利益を請求することは極めて困難と言わざるを得ません。

(2)次に、考えられるのはいわゆる慰謝料です。これは一般的に認められるものですので、損害のメインは慰謝料ということなります。ただし、慰謝料の相場は、そこまで高額ではなく、数十万円です。

企業が被害者の場合には、慰謝料に相当する損害として無形損害を請求することになります。この場合に認められる損害額も数十万円であることがほとんどのようです。

(3)そのほかにも、発信者情報開示請求について仮処分及び通常訴訟を経ている場合には、通常、これらの手続は弁護士が代理人として行っていることから、これらの手続きに要した弁護士費用を損害として請求することが考えられます。判例においては、弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内を損害として認めています。そして、発信者情報開示請求に要した弁護士費用については、その調査費用を全額損害として認める裁判例も存在します。他方、弁護士費用を全額損害として認めていない裁判例も存在します。そのため、弁護士費用は、損害として認められるものの、その金額については個別具体的な事情によることとなります。

3. 最後に

以上のとおり、ネットへの投稿について損害賠償請求をする場合、損害として認められるのは基本的には慰謝料ということになります。そのほか、発信者情報開示請求を行なった上で、投稿者へ損害賠償請求をする場合には、その調査費用も損害として請求していくこととなります。

また、投稿者として損害賠償請求を受けてしまった場合でもぜひ弊所にご相談いただければと思います。

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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