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解決事例

【6】時効完成後の建築瑕疵に関する交渉事例

2017/03/13
相談分野
訴訟・紛争
業種
医療機関

1. 相談内容

本件は、建築紛争に関するご相談です。

建築家に設計・施工を依頼し、鹿児島県内の大規模ゼネコンに施工を依頼し、総工費1億円を超える自邸を建築したところ、数年前から、塗装仕上げの外壁に大きなクラック(亀裂)が入る等、不具合が複数発見されたという事案でした。

クライアントは、建築瑕疵の修補もしくはその修補相当金の損害賠償を求めている事案でした。

2. 争点

本件の争点は、建築瑕疵の有無です。
ただし、仮に瑕疵があったとしても、本件は、ご依頼いただいた時点で、引き渡し後既に10年近くが経過していました。建築瑕疵のうち、軽微な瑕疵に関しては、6ヶ月~2年の時効、建物の基本的安全性能を害する重大な瑕疵・雨仕舞に関する瑕疵については、10年の時効が、法令及び約款によって定められております。
そのため、本件での争点は、建物の基本的安全性能を害する重大な瑕疵・雨仕舞に関する瑕疵が存在するか否かに集約されました。

3. 解決内容

建物としての基本的安全性能を害する重大な瑕疵・雨仕舞に関する瑕疵が存在するか否かを判断するため、建築瑕疵の調査を生業とする調査士を入れ、技術的観点から建物の状況を調査しました、
その結果、本件建物には、前記クラック(亀裂)以外にも床断熱の機能不全や、発火可能性のある断熱材とダウンライトの併用など多数の瑕疵が発見されたものの、建物の基本的安全性能を害する瑕疵は存在せず、法的責任の追及は不可能となりました。
この時点より、法的責任の追及ではなく、任意交渉により、少しでも相手方から金銭保障の譲歩を引き出せないかが課題となります。相手方はリーガルリスクゼロの状況ですので、瑕疵の存在や杜撰な施工事実に関する公表等の事実上の対抗手段を材料として、相手方の譲歩を引き出す交渉となりました。
 結果的には、400万円の金額を解決金として引き出すことができ、無事示談により解決することができました。

4. 弁護士の所感

通常、弁護士は、時効が完成している場合等、相手方に法的責任を追及する術がない状態での交渉は受任を嫌います。ただし、建築瑕疵の場合、実際に調査してみなければ、「建物の基本的安全性能を害する瑕疵」に当たるかどうかが分からないケースがあります。

本件は、残念ながら、こうした重大な瑕疵には当たらず、法的責任の追及が不可能であることが交渉途中で発覚した事件ではありましたが、そうした強制手段がない任意交渉から高額な示談金の獲得に成功した例となります。

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