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相談事例

【185】リース会社からリース契約の解除通知と同時に目的物件の譲渡がなされたところ、リース物件の引き上げに要する費用負担を請求された事例

2022/09/14
業種
その他の業務

1. 相談内容

相談者は、事業に必要なことからリース会社(X社)とリース契約を締結していたところ、種々の事情により、X社からリース契約の解除通知及び目的物件をY社に譲渡した旨の通知を受けた。その後、相談者はY社からリース物件の引き上げに要する費用負担を求められた。

2. 争点

リース物件の引き上げに要する費用負担は誰が行うか。

3. 解決内容

Y社がリース物件の所有権を放棄したことにより、引き上げに要する費用負担なく解決。

4. 弁護士の所感

リース物件はリース会社に所有権が留保された物件であり、リース会社は利用者がリース料の支払い遅滞、その他契約に違反する事由が発生した場合には担保権の行使としてリース物件を強制的に引き上げるのが一般的です。そうすると、リース物件の引き上げに要する費用はそもそもリース会社が自らの担保権行使のために要する費用であり、これを利用者が負担すべきいわれはありません。

この理は、リース会社が他社に物件の所有権を譲渡した場合であっても異なることはないことから、仮にリース会社からリース物件を譲り受けた者からリース物件の引き上げに要する費用を求められたとしても、これに応じる義務はないと考えられます。

本件もこの点をリース物件譲受会社に対して主張することにより、所有権を放棄させるに至り、リース物件引き上げ費用の負担をせずに解決することができた事案でした。

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