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企業法務コラム

秘密保持契約について

投稿日:2019/10/20
更新日:2023/12/21
秘密保持契約について

1. 秘密保持契約について

秘密保持契約について

秘密保持契約は、もっとも汎用される契約の一つですが、秘密情報を開示する側と秘密情報を受領する側では、立場が異なりますので、条項の構成も異なり得ます

このような基本的な視点を踏まえて、一般的な秘密保持契約は、以下のような構成になります。

2. 一般的な秘密保持契約の構成

2-1. 前文

秘密情報を開示する側の名称、秘密情報を受領する側の名称、秘密情報を開示する目的を規定します。一方の当事者からのみ秘密情報が開示される場合もありますが、双方の当事者から相互に秘密情報を開示する場合もあります。

いずれの場合でも、開示側にとっては、開示による流用、漏えいなどのリスクがありますので、その点を踏まえた条文構成にする必要があります。

2-2. 秘密情報の定義

秘密情報を定義する場合は、大別して、以下のパターンがあります。

  1. 開示側から開示されるすべての情報を秘密として取り扱うパターン

    これは、開示側にとって有利な構成です。

  2. 開示された情報のうち、「秘密」「守秘」等の記載が付された情報のみを秘密として取り扱うパターン

    これは、受領側にとって有利な構成です。

    なお、このパターンの場合には、口頭で開示された情報について、開示する時点では「秘密」「守秘」等の明示ができないことから、開示後の一定期間内に、開示側から追加的に「秘密」「守秘」等の連絡を行うことで、対応することになります。

上記いずれのパターンでも、公知情報等は、秘密として保護する実益がないため、秘密情報から除外されます。この例として、以下の情報があります。

  • 開示時点で公知であった情報
  • 開示後に受領側の故意・過失によらずに公知になった情報
  • 開示時点で受領側が既に保有していた情報
  • 開示後に受領側が別ルートで適法に入手した情報
  • 受領側が独自に創作した情報

2-3. 利用の制限

秘密保持契約について

秘密情報の利用目的を限定します。言い換えますと、利用目的として秘密保持契約に記載された目的以外では、秘密情報の利用が禁止されます。

受領側による第三者への秘密情報の開示は、開示側の事前同意が条件となります。

2-4. 秘密保持契約を締結した事実等の取り扱い

秘密保持契約を締結したこと自体や、秘密保持契約を締結した目的(例:新規案件のための検討)は、秘密情報そのものではありませんが、これらの事実が外部に漏れてしまうと、双方の目的が阻害される可能性があります。

そのため、これらの事実も、秘密情報に準じて取り扱う旨の規定が設けられることがあります。

2-5. 秘密情報を開示できる範囲

一般的に、以下の者に対しては、受領側が自由に秘密情報を開示することができると規定されます。但し、開示する際には、秘密情報である旨を事前に告知したうえで、受領者が負う義務と同等の義務を負わせることが条件となります。受領側のメンバーを通じて外部へ拡散することを防止するための措置です。

  • 受領側の役員、従業員
  • 受領側が起用する弁護士、会計士等の専門家

裁判所等から、秘密情報の開示を求められる場合があります。このような場合は、開示することがやむを得ないため、許容されます。

2-6. 秘密情報の正確さ

秘密保持契約について

一般的に、秘密情報の正確さについては、保証がなされない傾向にあります。

これは、秘密保持契約が、案件の検討の初期段階で締結されることが多いため、その段階では、秘密情報の正確性まで要求することが適切でないことによります。

2-7. 秘密情報の管理

 

  • 一般的に、受領側には、秘密情報の複写(コピー)を作成する権限が付与されます。
  • 受領側には、秘密情報の管理について、善管注意義務が課せられます。
  • 秘密情報を開示する目的が消滅した場合には、秘密情報の返還、廃棄等を行うことになりますので、その旨も規定されます。

2-8. 有効期間

秘密保持契約について

他の契約と異なり、自動更新の規定は設けられないことが通常です。

但し、利用の制限等の規定は、開示側として、秘密情報を永続的に秘密として管理する必要があるため、秘密保持契約の期間満了後も、引き続き効力を有すると規定されることが大半です。

2-9. その他

損害賠償、裁判管轄等の一般的な条項が規定されます。

3. まとめ

秘密保持契約は、汎用される契約ですが、自社が開示側・受領側のいずれであるかをよく考えることなく、書式をそのまま使用している例も散見されます。秘密保持契約は、豊富な経験を有する当事務所にご相談ください。

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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