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企業法務コラム

発信者情報開示請求は拒否できるのか?拒否した場合のデメリットについて解説

2021/08/02

会社で事業を行なっている際に、口コミサイトなどで自身の会社に関する口コミがなされることもあるかと思います。その際、その内容によっては同口コミ等を行なった者を特定し、損害賠償請求等を検討することになります。そして、投稿者特定の手段として発信者情報開示請求を行うことになりますが、そもそも発信者情報開示請求をした場合、その対象者にはどのような通知などがなされるのかなどの手続きについて知らない方もいらっしゃるかと思います。そこで本コラムでは、発信者情報請求受けた対象者にフォーカスしてその手続きを解説したいと思います。

1. 発信者情報開示請求をした後の対象者への通知について

まず、発信者情報開示請求を受けると、その請求を受けたコンテンツプロバイダ等は対象者に対して、2週間の期間を定めて意見聴取を行うことになっています。その通知は、情報開示に同意するか否かを確認するものです。もっとも、この通知を受けた対象者に情報開示に同意を強制することはできません。コンテンツプロバイダ等は対象者の意見に従う義務があるわけでなないのですが、多くの場合、不同意であれば発信者情報は開示されません。そのため、多くの場合は、対象者が情報開示に同意をしないため、法的手続を通じて情報開示請求を行うことになります。

2. 発信者情報開示請求を拒否した後の流れについて

発信者情報開示請求について対象者が同意をしない場合、会社としては、まずは、コンテンツプロバイダ等に対して、発信者情報開示請求を行うことになります。この場合は、ログの保存期間の問題もあり仮処分で行うのが一般的です。その後、IPアドレス等が開示されれば、さらにそのIPアドレスに基づいて、インターネットサービスプロバイダに対して、発信者情報開示請求を行うことになります。この手続きは、通常訴訟で行うことになります。もちろん、いわゆるテレサ書式に基づいて開示請求をすることも可能ですが、これに応じてくれる例は少ないようです。

3. 発信者情報開示請求を拒否した場合のデメリットについて

(1)次に、発信者情報請求に関する照会を受けた発信者の立場で、この照会を拒否することのデメリットを考えてみたいと思います。ここでは、実際に問題となる投稿を行なった者を前提として考えてみます。

(2)まず、問題となっている投稿等の投稿者が特定された場合、投稿者はどのような請求を受けるのでしょうか。

初めに、考えられるのは、損害賠償請求です。そして、その損害としては、慰謝料だけでなく、発信者情報開示請求にかかった費用についても一定額が認められる可能性があります。そのため、慰謝料と発信者情報開示請求に要した費用を合わせると100万円を超える場合もあります。

また、当然投稿の削除請求も受ける可能性があります。

そのほかにも、投稿内容が刑法条の犯罪に該当する場合には、刑事告訴をされて民事上の責任(損害賠償支払債務等)に加えて、刑事責任を問われる可能性があります。

(3)仮に発信者情報の開示を拒否したのもの、投稿者として特定をされてしまうと、損害賠償請求として発信者方情報開示請求に要した費用まで認められる可能性があることから、支払うべき金銭が大きくなることになります。

また、被害者の感情として、発信者情報開示請求を拒否した場合、その投稿者に対する被害感情も強くなることが予想されます。そのため、その後の示談交渉において不利になる可能性もあります。

そうだとすると、以上を踏まえれば、投稿者として自身の投稿が明らかに名誉毀損等に該当する場合には、発信者情報開示請求に応じて早期に示談交渉に望むことも重要といえると思います。そのため、投稿者であることが特定されないと安易に考えることなく、場合によっては発信者情報の開示に応じて、早期の和解を目指すということも考えていく必要があるといえます。

4. 最後に

以上のとおり、発信者情報開示について同意するかの照会を受けた場合、一概に拒否するのが必ずしも良いとは限りません。また、発信者情報開示請求を行う会社側とすれば、発信者情報開示請求をすればその結果にかかわらず、投稿者に通知がなされるため、投稿者へ投稿を問題視していることを間接的ではありますが伝えることができます。もちろん、安易に発信者情報開示請求をすることは避けなければなりませんが、権利侵害が伺われるような投稿の場合には発信者情報開示請求をしていくことも会社の姿勢としては必要かと思います。発信者情報開示請求をお考えの際は是非一度閉所へご相談いただければと思います。

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