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弁護士が解説 企業が講じるべきセクハラ・パワハラ対策

投稿日:
更新日:2023/12/21
弁護士が解説 企業が講じるべきセクハラ・パワハラ対策

職場におけるハラスメントの中でも、セクシャルハラスメント(以下「セクハラ」といいます。)とパワーハラスメント(以下「パワハラ」といいます。)は代表例といえます。これらのハラスメントについては、男女雇用機会均等法によってセクハラの防止措置の策定が、労働政策総合推進法(パワハラ防止法)によってパワハラの防止措置の策定が、企業に義務付けられており、ハラスメント対応は企業にとって必須の課題といえます。
以下では、企業が講じるべきハラスメント対策について解説します。

1. セクハラ・パワハラの定義

1-1. セクハラの定義

職場におけるセクハラについては、「職場において⾏われる、労働者の意に反する「性的な⾔動」に対する労働者の対応によりその労働者が労働条件について不利益を受けたり、性的な⾔動により就業環境が害されること」と定義されます。

なお、セクハラには①対価型セクハラと②環境型セクハラが存在します。前者は、労働者の意に反する性的言動に対する労働者の対応により、当該労働者が解雇や減給、降格等の不利益を受ける場合をいいます。後者は、労働者の意に反する性的言動により労働者の就業環境が悪化し、当該労働者の能力を発揮できなくなる等の支障が生じる場合をいいます。

1-2. パワハラの定義

職場におけるパワハラについては、パワハラ防止法に基づき策定されたパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(パワハラ指針)において「職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすもの」と定義されます。

2. 企業が講ずべき防止措置

企業が講ずべきハラスメント防止措置は以下のように整理されます。

  1. 事業主等の方針の明確化及びその周知・啓発
  2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
  3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応
  4. 相談者・行為者等のプライバシーの確保等のその他講ずべき措置

2-1. 事業主等の方針の明確化及びその周知・啓発

ハラスメントの内容及びハラスメントを行ってはならない旨の方針を明確にし、当該指針を労働者に周知・啓発する必要があります。あわせて、ハラスメントについて厳正に対処する旨の方針及び対処の内容も労働者に周知・啓発します。

周知・啓発の方法としては、就業規則に定めたうえで周知・啓発することが望ましいでしょう。その他にも、社内報等を利用した方法や社員研究の実施等が考えられます。

就業規則の整備や研修については専門家である弁護士をご活用ください。

2-2. 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

まず、相談窓口をあらかじめ定めて労働者に周知します。そのうえで、当該相談窓口の担当者が、相談に適切に対応できるような体制を整備する必要があります。具体的には、相談対応マニュアルの作成や担当者への研修の実施が考えられます。

ハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、ハラスメントが発生するおそれがある段階での相談や、ハラスメントに該当するか微妙な相談も考えられますが、幅広く対応するようにすべきです。また、相談窓口担当者による二次被害の防止にも注意を払う必要があります。

2-3. 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

ハラスメントに係る相談の申出があった場合の対応についても指針が定められています。事業主は、ハラスメントに係る相談の申出があった場合、以下のとおり対応することが求められます。

  1. 事実関係の迅速かつ適切な把握
  2. ハラスメントが確認できた場合は被害者に対する配慮のための措置の実施
  3. ハラスメントが確認できた場合は行為者に対する措置の実施
  4. 再発防止措置の実施

被害者に対する配慮のための措置としては、被害者と行為者の間の関係改善に向けた援助や被害者と行為者を引き離すための配置転換等があげられます。また、ハラスメントの結果、被害者の労働条件に不利益が生じていた場合はそれを回復する必要があります。

行為者に対する措置としては、就業規則に基づき懲戒処分を行うことが考えられます。懲戒処分を行うにあたっては、事前に就業規則を整備しておくことが重要です。

2-4. 相談者・行為者等のプライバシーの確保等のその他講ずべき措置

ハラスメントに係る問題は、被害者・行為者の双方にとってプライバシー性の高い事項になります。そのため、マニュアルの作成・担当者への研修等を通じて、被害者・行為者双方のプライバシーが保護されるように図る必要があります。

また、ハラスメントの相談等をしやすい環境を整えるために、ハラスメントの相談等を理由に不利益な取扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発する必要があります。

パワハラ防止措置の策定するうえでは、事前に就業規則の整備やマニュアル作成を行っておくことが重要です。また、労働者への研修を通じて職場におけるハラスメントへの意識を高める必要もあります。専門家である弁護士にご相談のうえ対応することをお勧めします。

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【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

本店所在地
〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
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