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企業法務コラム

ハラスメント対策で事業主が講ずべき措置について

投稿日:
更新日:2022/10/24

「働き方改革」が叫ばれるようになって久しいですが、その一環としてハラスメント対策も世の中の関心を集めています。私がかつて会社員として勤務していた企業でも、ハラスメント相談窓口が整備され、会社としてハラスメント問題を生じさせない仕組みが整えられていました。

このような企業の取り組みの背景には、国の労働政策があります。2019年5月、法にハラスメント対策が明記され、その後、厚労省から詳細な指針が告示されました。

これらの法律や指針は、ハラスメント対策の体制整備等の義務を使用者に課したもので、違反が即、賠償義務などの私法上の問題(要するに金銭的な問題)に直結するものではありません。

しかし、これらの法律や指針を軽視することはできません。労使紛争の中で、ハラスメント対策の体制整備等の状況が参照される可能性があり、間接的には私法上の問題になり得るためです。また、これらは従業員が働きやすい環境を整備するための指針ですので、従業員の早期離職等を防ぐためにも、指針は遵守すべきでしょう。

このように、ハラスメント対策では、法令や指針を踏まえることが求められます。弁護士は、法令や指針を踏まえて内規作成する等の業務を通じて、ハラスメント対策を経営者の皆様と一緒に考えていくことができます。将来的な紛争防止の観点から、ぜひご相談いただければ幸いです。

【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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