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解雇をはじめとする問題社員対応をめぐる問題点

投稿日:
更新日:2023/12/21
解雇をはじめとする問題社員対応をめぐる問題点

1. 問題社員への違法にならない対応方法

弊所は全国から500社の企業・事業主様より顧問弁護士としてご指名をいただいており、日々、種々のご相談を頂いております。その中には様々な業種が存在しますが、業種・業態を問わず共通して多いご相談内容が、問題社員への対応策についてです。

一言で問題社員といっても、遅刻や無断欠勤等勤怠の状況が著しく悪いケース、他の従業員に対してパワハラを行う等会社の秩序を乱すケース、上司の指示に従わないケース等、そのパターンは様々です。

このような問題社員と向き合う場合に、使用者側が最も注意しなければならないのは各種労働法令に違反する対応です。問題社員対応を契機として労基署から指導を受けたり、裁判に発展してしまうことは非常に多いです。

その典型例が「不当解雇」です。

そもそも問題社員と向き合う場合になされる解雇は通常、「懲戒処分としての解雇」ですが、果たして当該問題社員の言動のうちどの点が懲戒処分の対象となるのかを検証することなく解雇に踏み切ってしまうため、不当解雇として争われることになります。

すなわち、いきなり解雇に踏み切るのではなく、問題社員の行為が就業規則所定のどの懲戒事由に該当するのかを明らかにしたうえで、当該懲戒事由の程度に相当する懲戒処分としてどれを選択するのかを慎重に検討する必要があります。

使用者側の対応が違法になる場合の多くは、そもそも懲戒事由が存在するかという問題と、選択された懲戒処分が懲戒事由に比して行き過ぎでないかという問題とに分けられます。そして、両者についての検討を十分経ないまま懲戒処分に踏み切ってしまうことが違法と判断される最も多いケースとなります。特に解雇が「不当解雇」として争われるのは、懲戒処分として解雇を選択することに問題があることが多いためです。

2. 問題社員を解雇するには?

問題社員を解雇するには?

それでは、問題社員に対して懲戒処分としての解雇を行うにはどのような点に注意すべきかをご説明します。

最も問題になるのは、解雇を行う前に、より軽い懲戒処分にするというプロセスを経ているかという点です。解雇は最も重い究極的な懲戒処分であり、しかも使用者側の一方的意思表示によってなされます。そのため、解雇より軽い処分が妥当する場合には可能な限りその軽い処分によるべきであり、それでも目的が達しえないという合理的な理由が見出される場合にはじめて解雇が正当化されます。すなわち、解雇を行うにあたっては、それ以前に段階的処分を経ていたかという点が非常に厳しく審査されます。

懲戒処分には戒告、譴責、減給、降格、出勤停止、解雇等、種々のものが存在しますが、前述のとおり、解雇は雇用契約を使用者側の一方的意思表示によって終了させる究極的処分ですので、同処分を下す前に、それよりも軽い戒告や減給等の処分を経ることが強く要請されます。そのような処分を何度か行うことによっても問題行為が是正されない場合にはじめて解雇という手段を選択するべきです。

懲戒解雇処分をその場限りの使用者側の事情や感情のままに下すことは、不当解雇として争われるリスクを生むことになることに十分注意すべきなのです。

3. 問題社員を解雇するための注意点

問題社員を解雇するための注意点

問題社員を解雇するにあたり最も重要なのは、前述の「段階的処分を経たか」というチェック項目ですが、それ以外にも注意すべき点があります。

まず、大前提として、就業規則に定められている懲戒事由に該当する行為が真に存在するかをチェックすることです。使用者側は、懲戒処分を行う事由を予め就業規則に定めているからこそ、それに基づき懲戒処分を行うことができます。そのため、懲戒処分通知を当該従業員に対して行う場合には、問題となる従業員の行為が、就業規則所定のどの懲戒事由に該当するのか、そして就業規則所定のどの懲戒処分を下すのかを、就業規則の条文を指摘しつつ示すことが重要です。

その際、当該問題社員のどの行為に対し懲戒処分を下すのかは具体的事実を示しながら特定する必要があります。過去の事情に遡って懲戒事由としたり、当初指摘していた事情と異なる事情を懲戒事由とすることは、懲戒解雇の合理性を疑わせ、解雇が無効と判断されるリスクを生じさせます。

また、解雇に限らず、懲戒処分一般に言えることですが、処分を下す場合には、処分を受ける従業員に対し、その言い分を使用者側に伝える機会を与えることが必要です。これを「弁明の機会」といいます。弁明の機会を一切与えないまま懲戒処分の通知を行うこともまた、その処分の合理性を疑わせることになるため注意を要します。

4. 最後に

最後に

このように、解雇が就業規則に定められているからといって、使用者側が自由な裁量で行えるものではありません。

問題社員の存在は使用者側のみならず他の社員に対するモチベーションを下げ、就労環境を悪化させる要因になることが非常に多いです。もっとも、そうであるからといって、上記のような点に配慮しないまま解雇を行うことは、不当解雇として争われ、かえって使用者側が種々の不利益を受けるリスクとなります。問題社員に対してどのように対応すべきか少しでもお悩みの方は、弊所までお気軽にお問い合わせください。

【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

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監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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