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企業法務コラム

相続財産国庫帰属制度

2023/07/19

法改正

弁護士:圓真諒

相続財産国庫帰属制度

令和5年4月27日から施行された新しい制度、相続土地国庫帰属制度について紹介します。
相続土地国庫帰属制度は、相続や遺贈によって取得した土地の所有権や共有持分について、一定の要件のもとに国庫へ帰属させる制度です。山林や原野などの資産価値が低い土地が、いわゆる「負の遺産」として放置され、所有者不明土地が増える事態を避けることを目的とした制度です。法務大臣(法務局)の審査・承認を受け、申請者が10年分の土地管理費相当額の負担金を納付することで、当該土地を国庫へ帰属させることができます。10年分の土地管理費相当額を聞くと身構えてしまいますが、田畑や原野は面積にかかわらず20万円、森林については面積に応じて算定され1000㎡ほどの広さがある場合、約48万円となります。
国庫に帰属させられない土地としては、建物が存在したり担保権等が設定されている場合や、一定の勾配・高さの崖がある場合等が挙げられています。
本制度の活用によって、遺産分割においてより選択肢が増えることとなります。例えば、資産価値が低く従前は管理が難しい森林等の土地は、その評価について遺産分割の紛争で争いとなることが多くなりました。誰も取得希望者がおらず、共有名義の相続登記を行い、問題をより複雑にして先送りする例もありました。しかし、本制度を用いることにより、相続財産から負担金を支出することで問題を解決する選択肢ができました。本制度の特徴として、法施行前に相続等によって取得した土地も対象となることです。土地の帰属をめぐって遺産分割協議が進んでいない事例についても、本制度を活用することで解決を図ることができるかもしれません。
本制度の恩恵を述べてきましたが、注意しなければならない点があります。
令和6 年4月1日より、相続登記の申請が義務化されます。すなわち、相続により不動産を取得した相続人等は、取得を知った日から3年以内に相続登記をすることが義務づけられます。正当な理由がないにもかかわらず相続登記の申請をしなかった場合は、10万円以下の過料が科されることがあります。相続登記の義務化については、遡及して適応されるため、相続未了の土地の権利者は要注意です。
相続土地国庫帰属制度は、所有者不明土地の増加という社会問題への対応として制定されたものです。資産価値の低い土地の処分が可能となる一方で、相続手続を求められる状況にあることも認識する必要があります。

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

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