顧問先数以上の信頼と実績

お気軽にお電話ください!0120-77-9014
トップページ > 企業法務コラム > 労働問題・労働法コラム > 就業規則その他各種社内規程の整備 > 企業による資格取得支援とその法的留意点

企業法務コラム

企業による資格取得支援とその法的留意点

投稿日:
更新日:2025/01/28

東京・神戸・福岡・熊本・長崎・鹿児島に拠点がある弁護士法人グレイスの労働法コラムです。

今回のテーマは、企業による資格取得支援とその法的留意点についてです。

相談者
相談者

最近聞いたんですが、従業員のキャリアアップのために企業が資格取得費用を援助することってありますよね?

播磨先生
弁護士

はい、その通りです。多くの企業が従業員のスキル向上を奨励しています。

相談者
相談者

でも、資格を取得した後に従業員がすぐ退職してしまうこともあるんですよね? そうなった場合、企業はどう対処すればいいんですか?

播磨先生
弁護士

その点は重要です。労働基準法により、労働契約において違約金や損害賠償額を予定することは禁止されています。そのため、資格取得後にすぐ退職する場合に全額返還をしなければならないようは契約をすると、労働基準法に違反する可能性があります。

相談者
相談者

なるほど。労働基準法はなぜそのような規定をしているのでしょうか。

播磨先生
弁護士

従来、労働者が契約期間中に逃亡したり、機械器具を壊した場合などに、本人や保証人などに一定額の違約金を支払わせるという慣行がみられ、労働者が身分的に拘束する原因となっていたことから、労働基準法はこのような拘束を防ぐため、違約金や損害賠償額の予定を禁止したのです。

相談者
相談者

じゃあ、企業はどのように対応すべきなんですか?

播磨先生
弁護士

企業は、資格取得費用を貸与したとして金銭消費貸借契約を締結し、その特約として一定期間勤務すればその費用の免除を条件とすることができます。これは労働契約の不履行とは関係ないため、労働基準法の違反にはならないと考えられるためです。

相談者
相談者

金銭消費貸借契約を結ぶ際に注意すべき点はありますか?

播磨先生
弁護士

注意点はいくつかあります。まず、資格が個人のスキル向上のためのもので、業務に直接関係しないことが重要です。また、資格取得は労働者の自発的な意志に基づくべきであり、返還すべき費用の範囲と勤続期間は合理的である必要があります。加えて、資格取得費用の支出に関しては、事前に労働者との間で適切な契約書を取り交わすことが重要です。これにより、将来的なトラブルを避けることができます。

相談者
相談者

理解しました。ありがとうございます! 何かあればまた相談に来ますね。

播磨先生
弁護士

いつでもお待ちしています。適切な対策を講じれば、両者にとって良い結果になりますからね。

ご相談のご予約はこちらから

全国対応可能・メールでのお問い合わせは24時間受付

東京・神戸・福岡・長崎・熊本・鹿児島を拠点に対応中!

【著者情報】

企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)

九州大学大学院法学研究科修士課程 修了

米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業

三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務

プロフィールはこちら>>

監修者

弁護士法人グレイス企業法務部

本店所在地
〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
連絡先
[代表電話] 03-6432-9783
[相談予約受付] 0120-100-129
WEBサイト
https://www.kotegawa-law.com/

「就業規則その他各種社内規程の整備」の関連記事はこちら

ご相談のご予約はこちらから

全国対応可能・メールでのお問い合わせは24時間受付

東京・神戸・福岡・長崎・熊本・鹿児島を拠点に対応中!