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企業法務コラム

第1回「指揮命令系統の確立・共有」

2021/05/24

「ヒト・モノ・カネ」が経営の三大要素といわれますが、中でも「ヒト」の問題は組織を動かしていく上で最も重要かつ難しい問題です。そこで、今月号から組織論について順次コラムを掲載してまいります。
第1回は「指揮命令系統」についてお話します。
組織にとって指揮命令系統を確立することは必須です。労働契約は使用従属関係が当然の前提ですので、指揮命令系統が確立できていなければ、およそ組織としての体をなしていないと言っても過言ではありません。
指揮命令系統に関して重要なことは、その組織における指揮命令系統を「組織図」として可視化すること及びそれを全組織において共有することです。各構成員が「自分は誰から指示を受け、誰に対して指示を出す立場なのか」を明確にすることにより、上下関係の規律を確立することが重要です。これにより、責任の所在やそれぞれの権限の範囲が明確になるというメリットもあります。
弊所においても、年齢の高低、弁護士歴の長さ、入所歴の長さ等、上下関係を構築するうえで参考にする要素が幾つかあります。私は企業法務部という部署の部長を務めており、同部署に約15名のスタッフが所属しておりますが、私より年齢が高い者、弁護士歴が長い者、入所歴が長い者が存在します。しかし、指揮命令系統のトップは部長を務める私であり、私が出した指示は少なくとも部の中では絶対的なものとなります。トップに立つ者としてこのルールを徹底することに戸惑いを感じた時期もありましたが、現在は指揮命令系統が浸透しているため、部を運営していくうえで当然の前提となっております。
お客様のご相談の中にも、「入社して間もないものの、その業界における経験が豊富な故に傲慢な態度をとる従業員がいる。どう接していいか悩んでいる」というものがあります。しかしながら、その人材にどのような要素があれ、組織内の規律は規律として厳格に定めていくことは組織を強くするうえで必須といえます。また、指揮命令系統は、ただ単に上下関係や指揮命令の関係だけでなく、自ら行った業務の経過や結果を誰に報告すべきかという点についても明らかにします。
「報告・連絡・相談」をすべき対象が明確になることにより、より強い組織が生まれます。
組織の強さはこの「指揮命令系統」が確立・共有されているか否かで全く異なります。一見当たり前のことのようですが、意外にもこの「指揮命令系統」が確立・共有されていない組織は多く存在します。もし組織内の秩序をしっかり確立させたい場合には、まず「指揮命令系統」の可視化・共有をすることから手掛けてみることを強くお勧めします。

このコラムの著者

大武 英司 -OHTAKE EIJI -

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