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企業法務コラム

検察庁と組織論

2022/09/21

私の前職は検察官でした。検察庁は巨大組織であり、そこに所属する検察官は、その歯車に過ぎないように見えるかもしれません。しかし、検察官が多くの組織人と異なる点はおそらく、「独任制の官庁」である点でしょう。これは平たく言えば、検察官一人ひとりが担当事件の決裁権を持っているということです。法律上は、担当検察官一人の判断で、被疑者を起訴するか否かを決定できるのです。もちろん実際には、複数の決裁官の決裁を経て起訴の判断がされています。起訴するか否かは、人ひとりの人生を左右しかねない重大な決断だからです。しかし、判断に迷う事件に遭遇したとき、決裁官と主任検察官が何度も議論を交わした末に、決裁官が「主任の判断に任せる。」と決断することも多々あります。個々の検察官は、最終的には主任としての自分の判断が通る可能性があることを心得ているため、担当事件に真剣に向き合います。決裁官から飛んでくるあらゆる質問に対応できるよう、入念に準備を重ねます。このように、部下である組織の構成員一人ひとりに権限が与えられ、部下自身がその重みを認識し、上司も部下の判断を尊重するという体制が整っていることも、日本の有罪率が高い一因かもしれません。
これを民間に引き直せば、勝ち続ける要因になり得るということでしょうか。

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