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企業法務コラム

財産分与

2021/05/24

先日、世界有数の資産家ビル・ゲイツ氏の離婚が公表されました。
27年間寄り添ったメリンダ夫人と別れるわけですが、ゲイツ氏の保有資産は推定1300億ドル(日本円にして約14兆円)といわれますので、財産分与の行く末が気になるところです。報道を見る限り、財産分与に関しても既に合意が成立しているようですが具体的内容は不明です。婚前契約は存在しないようですので、メリンダ氏側が最大利益を求めるスタンスに立った場合、交渉の出発点は夫婦平等原則に基づいた2分の1の割合による請求、つまり約7兆円の分与請求であったと考えられます。

というわけで、今回は長年連れ添ったご夫婦が離婚する際に生じる財産分与の問題を説明します。
財産分与は、夫婦が婚姻生活の中で共同して形成した財産(「夫婦共有財産」といいます。)を分割する手続です。将来の離婚に備えて夫婦共有財産をどのように分与するかを定める契約を結ぶことは婚前や婚姻期間中でも可能ですが、夫婦のいずれかが他方に対して一方的に分与を請求できるのは離婚時から2年以内に限られます。
また、分与対象はあくまでも「夫婦共有財産」に限られ、夫婦共助に基づかずどちらかの特有の事情で形成された財産(「特有財産」といいます。)は対象となりません。
例えば、夫の親が亡くなり夫がその遺産を相続した場合、これは夫の「特有財産」であり離婚した際に妻がその分与を請求することはできません。

手続の方法ですが、①夫婦間での直接の協議、②代理人弁護士を挟んでの協議、③調停、④審判、⑤訴訟等の色々あります。先のゲイツ氏の例は②です。手続自体は色々ありますが、行うべき事柄は基本的にどれも同じです。まず、財産分与の基準日(どの時点の財産を分与対象とするかという基準日)を決めます。別居している場合は別居日、同居のまま離婚協議を行う際は内容証明郵便等で離婚意思を相手方に表示した日とされるのが通常です。次に、夫婦双方が自身名義の資産(現金、預貯金、不動産その他の固定資産、動産で高価な物、有価証券、保険契約、ゴルフ会員権等)の資産情報を相手方に開示し、双方の財産の目録を作成します。これによって、夫側・妻側の双方がどういう資産を保有し、その合計額がそれぞれいくらになるかが分かります。
目録ができたら次に分与割合を決めます。冒頭述べましたとおり、夫婦間には男女平等の原則が働くため、一方が専業主婦であっても原則的に分与割合は0.5ずつとされます(「2分の1ルール」と呼ばれます。)。もっとも、夫婦共有財産が極めて高額であり、且つ、そうした高額財産が夫婦いずれかの特殊な資格(婚姻前に取得されたもの)や明らかに特殊な手腕(経営上の才覚)等によって築かれたと認められる場合、分与割合が傾斜されることとなります。たとえば、医師として巨額の財産を築いた夫と専業主婦の妻が財産分与を行う場合、医師の資格が婚姻前に取得されている場合、3:7~4:6程度の傾斜を夫側が主張することが通常可能です(実際には子供の有無や養育監護の負担の実情等細かな事情まで加味して判断されます)。ビル・ゲイツ氏の例でも当然同様の主張がされたでしょう。
この分与割合で合意できるようであれば、あとは資産ごとの個別の分割方法を議論します。すなわち、不動産や車など共有にするのが不相当な財産をいずれの名義で確定させるかを決め、取り分の偏りは代償金として現金・預貯金等の流動資産を支払うことで調整します。
合意がまとまればそれを協議書にまとめ、登記等の行政手続を済ませます。合意の形成が難しい場合は、審判・訴訟等の裁判所の手続で解決します。

以上、財産分与の概略を説明いたしました。実際にこうした局面に遭遇された際は、是非当事務所にご相談下さい。

このコラムの著者

森田 博貴 - MORITA HIROKI -

- 所属
- プロフィール
- 最新担当コラム
財産分与 行政が保有する情報の取得 第9回「商標をめぐるライセンス契約」 第13回「防護標章制度について」 第12回「並行輸入と商標」

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