文字サイズ − −
お気軽にお電話ください!0120-77-9014
トップページ > 企業法務コラム > その他のコラム > ワクチン接種と業務命令

企業法務コラム

ワクチン接種と業務命令

2021/07/26

現在、新型コロナウイルスのワクチン接種が日本でも本格化してきています。私が住む神戸市でも高齢者や医療従事者だけでなく、一般の方へのワクチン接種が順次開始されます。

そして、ワクチン接種を受けられる機会ができたことにより、会社として、従業員が新型コロナウイルスに感染しないよう、従業員に対して、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けるよう業務命令を出すということも考えられます。

そこで、本コラムでは、従業員に対してワクチン接種を接種するよう業務命令を出すことができるかについて考えてみたいと思います。

予防接種については、予防接種法という法律が存在します。

そして、同法において、予防接種を受けるかは「努力義務」とされています。そのため、接種するかは、従業員個人の自由な意思に委ねられているといえます。さらに、そもそも、ワクチン接種による副作用も懸念されるところであり、従業員の体質としてワクチン接種を受けられないという従業員も存在します。

そのため、会社が従業員に対して、ワクチン接種を業務命令により強制することはできないと考えられます。

したがって、仮に、そのような業務命令を出したとしてもその命令は無効と考えられます。

また、以上を前提とすれば、予防接種を受けないことを理由に従業員について不利益取扱い等は許されないといえます。

それでは、業務命令としてワクチン接種を従業員に命じることができないとして、会社としては何ができるでしょうか。

会社としてできるのは、ワクチン接種を勧奨することまで考えます。ただし、あくまで接種するかは従業員の自由であることから、勧奨の程度を超えるような従業員がワクチン接種を受けるまで執拗に勧奨を続けることは、パワーハラスメントになる恐れもあるため注意が必要です。

ウェブ上のニュースでは、コロナウイルスのワクチン接種に関して、ワクチンハラスメントといった言葉も目にします。会社としては良かれと思っても、従業員が素直にそのように捉えてくれるかは分かりません。また、その中にも法的に問題となりうることも存在します。そのため、そのほか労務に関するお悩みがあればいつでも弊所にご相談いただければと思います。

このコラムの著者

戸田 晃輔 -TODA KOSUKE -

- 所属
- プロフィール
- 最新担当コラム
時間外労働の割増賃金率の変更等について 人材育成について 契約の自動更新についての注意点 賃料不払いによる賃貸借契約解除・明渡について 個人情報保護法と情報漏洩

プロフィール詳細はこちら >

「その他のコラム」の関連記事はこちら

取り扱い分野一覧

ご相談のご予約はこちらから

全国対応可能・メールでのお問い合わせは24時間受付

東京事務所

東京都港区芝大門1丁目1-35
サンセルモ大門ビル4階

TEL.03-6432-9783

神戸事務所

兵庫県神戸市中央区小野柄通5丁目1-27
甲南アセット三宮ビル2階

TEL.078-862-3764

福岡事務所

福岡市博多区博多駅前四丁目2番1号
NEWNO・ザイマックス博多駅前7階

TEL.092-409-8603

長崎事務所

長崎県長崎市万才町7-1
TBM 長崎ビル8階

TEL.095-895-5557

熊本事務所

熊本市中央区安政町8-16 村瀬海運ビル401

TEL.096-245-7317

鹿児島事務所

鹿児島県鹿児島市西田2丁目27-32
TYビル 4-7F

TEL.099-822-0764