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企業法務コラム

急増している「メンタルヘルス」の問題

2022/08/24

近時、従業員のメンタルヘルスに関するご相談を数多く受けております。

「メンタルヘルス」とは文字通り「精神面での健康」の意味ですが、法律上もメンタルヘルスに関して使用者に種々の義務を課しており、ストレスチェックの義務を課す労働安全衛生法がその代表例です。

労働安全衛生法66条の10は、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。」と定めています。

ここにいう「検査」のことを「ストレスチェック」と呼んでいます。

このストレスチェックは労働者数50人以上の事業場については使用者に対し、1年以内ごとに1回、実施が義務付けられております。

ここでは、ストレスチェックの方法について詳述いたしませんが、ストレスチェックの対象者となる労働者の範囲、ストレスチェックを実施する者、ストレスチェック実施時・実施後の対応方法等、使用者側が把握しておくべき点が多くありますので、注意が必要です。

メンタルヘルスに関し判示した興味深い判例として、最高裁平成26年3月24日判決があります。これは、業務に起因してうつ病にり患した労働者が、使用者に対し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償等を請求した事案です。

判例は、本件の事案のもとにおいて、労働者の精神疾患にかかる使用者の安全配慮義務違反に基づく損害賠償額の算定にあたって、労働者が自らの精神的健康(メンタルヘルス)に関する情報を使用者に申告しなかったことを理由として、過失相殺により損害賠償額を減額することを否定しました。

ごく簡単に言えば、「労働者からメンタル不調の申告がなかったとの使用者側の言い分を認めない」というメッセージです。

この判例から、使用者側に課せられている安全配慮義務が非常に高度なものであるという点をご理解いただく必要があります。

メンタルヘルス対応を誤ると、ハラスメント問題に発展したり、使用者側の安全配慮義務違反の責任が厳しく追及されるおそれもあります。そのため、事前予防・事前対策が非常に重要となります。

メンタルヘルス対応に関するご相談は、是非、弁護士法人グレイスまでお問い合わせください。

このコラムの著者

大武 英司 -OHTAKE EIJI -

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