企業法務コラム
退職後の競業に関する落とし穴
更新日:2024/11/21
弁護士:諸町 俊貴
[ニュースレター131号掲載]
これまで共に業務を行ってきた役員や労働者が退職した後、競業を行うことがございます。退職後の競業は自由競争の範囲内であるとして原則違法とはなりませんが、①競業避止義務特約がある場合や②特約がなくとも自由競争の範囲を逸脱する競業は不法行為となり、損害賠償の対象となりえます。
競業避止義務特約は広く設定しておけば一安心と考える方が多くみられますが、実際は真逆の結論を招きます。すなわち、競業を制約しすぎると職業選択の妨害とみなされて無効と解する余地が生じてしまうため、むしろ必要最低限の範囲に留めておく方がよい場合もございます。
危険な規定例としては、①労働者等の退職の自由を奪う目的である場合、②アルバイト・パートにまで競業避止義務を課している場合、③競業禁止の期間が5年など長期に過ぎ、地域・業種の特定がない場合、④競業避止義務の範囲が広範であるのに代償措置が全くない場合等になります。
また、特約がないとしても信義に反する競業を行うと、自由競争の範囲を逸脱しているとして、巨額の損害賠償が認められる場合があります。例えば、不意打ちで従業員の大半を引抜き会社に多大なる損害を負わせたときや、会社の営業秘密を用いて競業を行うときが当たります。
独立後どこまで競業を行ってよいのか、または自社の利益を守るためにどこまで、競業を制限すべきか。これらは経営上、非常に悩ましい問題です。お悩みの際は、是非お気軽にご相談ください。
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【著者情報】
弁護士法人グレイス企業法務部
企業・経営者向けの顧問サービスに強みを持ち、約750社の顧問先企業を有する(2025年9月時点)。また、「社外法務部」という名称で主に中小企業に法務のアウトソーシングサービスを提供している。
従業員の解雇や問題社員対応などの労働問題、契約書・債権回収・損害賠償請求などの取引をめぐる紛争、不動産の取引に関する紛争、横領・着服・背任等不正行為、法人破産、M&Aや事業承継など。
監修者
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