企業法務コラム
退職代行とユニオン
更新日:2025/06/23
[ニュースレター138号掲載]
昨今、退職代行の話題には事欠きません。退職代行とは、退職者の代わりに退職の意思表示を伝達するサービスを言います。退職に関するやりとりを任せることができ、低価格で気軽に利用できるという点も魅力なのでしょう。最たる問題は、退職代行は弁護士法との兼ね合いから交渉をすることができない点です。
1つ例を挙げますと、退職代行から、本日から有給休暇を全て消化して、足りない分は欠勤する旨通知してきたとします。退職者が担当する重要な商談等があるとしても、退職代行は何ら交渉ができないため、代替案を整えることに消極的です。何ら対応できないとして、退職代行の業務を放棄されることもあります。
労働者からしても、退職までには2週間の猶予が必要となります(民法627条1項)。その期間に懲戒リスクが伴い、深刻なケースでは損害賠償請求をも受けうるため、退職代行には自ずから限界があるのです。
会社側の考えうる対応の1つは、退職届の提出、貸与物の回収を優先し、去る者は追わないスタンスです。
しかしながら、業務に大きな支障が出るときは、弁護士を通じて期日までに引継事項の作成や退職時期の変更等を求め、具体的な交渉を行うスタンスが適切です。
また、退職代行からユニオン(合同労組)にバトンタッチして交渉を担当する場合があります。ユニオンとの交渉は、団体交渉を通す等して引継が遅滞して、焦った会社側が本人と連絡を取らざるを得ないという状況に陥り、本人から応答がないケースが散見されます。会社とやりとりしたくないがために退職代行を用いたのですから、ある種必然ともいえます。
そのため、弁護士から通知書を送った方がスムーズに事が進むことがあります。急がば回れということですね。
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【著者情報】
播摩 洋平弁護士
企業法務部 部長 福岡県弁護士会(弁護士登録番号:33334)
九州大学大学院法学研究科修士課程 修了
米国Vanderbilt Universityロースクール(LLMコース) 卒業
三菱商事株式会社、シティユーワ法律事務所を経て、現在弁護士法人グレイスにて勤務
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弁護士法人グレイス企業法務部
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