企業法務コラム
【アンケート結果】企業が顧問弁護士を契約しようと思ったきっかけとは?
更新日:2026/03/12
企業経営において、法務リスクへの対応は避けて通れない課題です。しかし、「顧問弁護士をつけるべきか迷っている」「どのような基準で弁護士を選べばよいかわからない」とお悩みの経営者様も多いのではないでしょうか。
そこで当事務所では、現在顧問契約を結んでいただいている企業様を対象に、「顧問弁護士の契約に関するアンケート」を実施いたしました。
実際に顧問弁護士を活用している企業様が、どのようなきっかけで契約を検討し、どのような点にメリットを感じているのか、リアルな声をご紹介します。
【調査概要】
調査期間:2026年1月30日〜2月13日
回答社数:175社
調査方法:アンケートの回答をチャットで依頼
調査実施者:弁護士法人グレイス
目次
1. 顧問弁護士を検討した最初の理由は何でしたか?
まず、「顧問弁護士を検討した最初の理由(複数選択)」について伺いました。
アンケート結果全体から、顧問弁護士について「事後対応」だけではなく「事前予防」として必要とされていることが読み取れます。
回答結果順位の詳細
| 選択項目 | 回答数 |
|---|---|
| トラブルが発生したため | 99 |
| 契約書のチェックが増えたため | 65 |
| 会社の規模が大きくなり、不安が増したため | 43 |
| 顧問がいないことにリスクを感じたため | 42 |
| 他社経営者から勧められたため | 42 |
| 顧問先・取引先から求められたため | 25 |
| 法改正やコンプライアンス対応の必要性を感じたため | 19 |
| 労務問題(退職、問題社員、ハラスメント)が増えたため | 18 |
| 取引先との契約が複雑になったため | 5 |
| IPOや新規事業など“攻めの法務”が必要になったため | 3 |
1. 圧倒的1位は王道の「トラブル発生(事後対応)」
最も多かった回答は「トラブルが発生したため(99社)」でした。訴訟や労働問題など、予期せぬ深刻な事態に直面し、今すぐ専門家のサポートが必要になったというケースであり、顧問弁護士を検討する最も直接的で王道な理由と言えます。
2. 非常に高い「予防法務・リスクマネジメント」への意識
注目すべきは2位以下の回答傾向です。「契約書のチェックが増えたため(65社)」「会社の規模が大きくなり、不安が増したため(43社)」「顧問がいないことにリスクを感じたため(42社)」が上位に続いています。
その他の回答にも「万が一の為」「今後トラブルが発生した時のために」という回答がございました。
これらは、まだ大きなトラブルが起きていない段階で、将来のリスクに備え、法的な基盤を固めたいという「予防法務」を目的とした前向きな理由です。企業の成長フェーズに合わせて、経営者のリスクマネジメント意識が高まっていることがうかがえます。
3. ステークホルダーや外部からの影響による検討
「他社経営者から勧められたため(42社)」「顧問先・取引先から求められたため(25社)」といった外部要因も大きなきっかけとなっています。 自社内部の課題だけでなく、取引先との契約において信用を担保するためや、信頼できる経営者仲間からの声が背中を押していることがわかります。
4. 現代的な課題解決
「法改正やコンプライアンス対応の必要性を感じたため(19社)」や「労務問題が増えたため(18社)」など、コンプライアンスが厳しく問われる現代ならではの課題に対応するための検討も見られます。
「その他の回答」からは、アンケートの選択肢にはない、より具体的かつリアルなきっかけが見えてきます。
その他の回答から見えるもの
1. セミナーやスポット相談など「実際の接点」による信頼構築
「講演会で参考になり 社内規定の見直しのため」「以前のスポット相談の対応が良かったため」「参加した説明会の印象が良かった為」「弁護士のセミナーを聞いて」といった回答が目立ちます。
これは、企業様が自ら弁護士を探したというよりも、弁護士事務所が開催したセミナーや説明会、あるいは単発の依頼(スポット相談)での的確な対応が、「この弁護士に継続して任せたい」と思わせる直接的なきっかけになったことを示しています。日常の業務や情報発信が、強力な営業・マーケティング効果を生んでいると言えます。
2. 現状への不満
「前任者の対応に不満があったため」という回答も見逃せません。これは新規の契約ではなく、既存の顧問弁護士からの切り替え(リプレイス)を検討したケースであり、レスポンスの遅さや専門性不足など、何らかの不満がきっかけになっていることがわかります。
顧問契約を締結している価値を提供することが必要であり、私どもも身が引き締まる思いです。
企業様が顧問弁護士を検討する理由は、「起きてしまったトラブルの対応」という伝統的な役割に留まりません。日々の契約業務の増加や会社規模の拡大に伴う「予防法務へのシフト」、そして外部からの信用獲得など、「企業成長を安全に加速させるためのパートナー」としてのニーズが非常に高まっていると考察できます。
2. 顧問弁護士を選ぶ際に重視したポイントは?
次に、「顧問弁護士を選ぶ際に重視したポイント(複数選択)」について伺いました。
アンケート結果からは、企業が弁護士に対して「実務的な処理能力(ハード面)」と「人間的・コンサルティング的な寄り添い(ソフト面)」の双方を高いレベルで求めていることが読み取れます。
回答結果順位の詳細
| 選択項目 | 回答数 |
|---|---|
| 対応のスピード | 121 |
| 専門性 | 96 |
| コミュニケーションのしやすさ | 79 |
| 実績・信頼感 | 71 |
| 労務・企業法務に強い | 56 |
| 経営者の立場で考えてくれる | 49 |
| 費用が分かりやすい | 46 |
| 紹介者の評価 | 37 |
| 営業的ではない姿勢 | 23 |
1. 圧倒的な最重要項目は「対応のスピード」
最も多くの企業様が重視したポイントは、2位に大差をつけた「対応のスピード(121社)」でした。 ビジネスの現場においては、決断や対応の遅れが致命的な損失に直結することが多々あります。
トラブル発生時の初動対応や、日々の契約書の確認など、「今すぐどうすべきか知りたい」「早く事業を前に進めたい」という経営者のスピード感に応えられるかどうかが、弁護士選びにおける最大の決め手となっています。
2. 実務に直結する「専門性」
2位には「専門性(96社)」が入り、5位にも「労務・企業法務に強い(56社)」がランクインしています。
企業様は、単なる法律の辞書的な知識ではなく、自社が直面しやすい労働問題や企業間取引といった「ビジネスの実務に直結する専門知識と解決能力」を求めていることがわかります。
3. 「コミュニケーション能力」と「経営者視点」
非常に特徴的なのは、3位「コミュニケーションのしやすさ(79社)」、4位「実績・信頼感(71社)」、「経営者の立場で考えてくれる(49社)」、その他の回答の「面談した時の安心感が非常に良かったです。」といった、人間性やスタンスに関わるソフト面が強く支持されている点です。
いくら高度な法的知識を持っていても、高圧的であったり専門用語ばかりで気軽に相談できなければ意味がありません。法律という難解な分野だからこそ、「自社のビジネスを理解し、同じ目線で腹を割って話ができるか」というパートナーとしての資質が極めて重要視されています。
その他の回答から見えるもの
1. 既存のネットワークや「関係性・紹介」による信頼の担保
「関連業務により関係性があったため。」「親会社からのすすめ」「グループ本社からのご紹介」といった回答が複数見られます。
弁護士選びは失敗した際のリスクが大きいため、ゼロから探すよりも、すでにビジネス上の付き合いがある相手や、親会社・グループ企業など「確実に信頼できるルート」からの紹介が強い動機になることがわかります。自社のビジネス環境をすでにある程度理解してくれているという安心感も影響していると考えられます。
2. 「一般的な専門性」ではなく「自社業界に特化した知見」の要求
「建設業のため、建設業に関する知識・経験のある方を探しました。」という具体的な回答があります。 これは、アンケートの選択肢にある「専門性」や「労務・企業法務に強い」という要素をさらに深掘りしたニーズです。
企業様は単に法律に詳しいだけでなく、自社の属する業界特有の商慣習、専門用語、特有の法的トラブル(この場合は建設業の法務)に対する実務経験を強く求めていることが考察できます。
顧問弁護士の選定において、「スピード」と「専門性」は備わっていて当たり前の大前提として、「気軽に相談できるコミュニケーション能力」や「経営者に寄り添う姿勢」といった人間的な信頼関係であると考察できます。
3. 顧問弁護士を契約して、どのような点で良かったと感じますか?
最後に、「顧問弁護士を契約して、実際にどのような点で良かったと感じているか(複数選択)」について伺いました。
アンケート結果からは、企業が顧問弁護士に対して「実務的なトラブル解決」にとどまらず、「心理的な安心感」や「組織全体のメリット」など、多角的な価値を見出していることが考察できます。
回答結果順位の詳細
| 選択項目 | 回答数 |
|---|---|
| トラブルの早期対処ができるようになった | 118 |
| 相談しやすい環境ができた(気軽に聞ける) | 112 |
| 判断に迷うときの“セカンドオピニオン”が得られるようになった | 80 |
| 契約書のチェックで安心感が持てるようになった | 74 |
| 経営者の精神的負担が軽くなった | 72 |
| 予防の観点でアドバイスをもらえるようになった | 62 |
| 社員・管理職が相談できる“外部の安心窓口”ができた | 60 |
| 会社としての“リスクが減った”と感じるようになった | 54 |
| 労務トラブルへの対応がスムーズになった | 49 |
| 社内の法務レベルが上がった(知識・意識の向上) | 37 |
| 新規事業や契約の意思決定が早くなった | 21 |
| 就業規則など社内ルールが整備できた | 21 |
| 外部からの信頼(信用)が向上した | 13 |
1. 実務面での最大のメリット:「トラブルの早期・確実な対処」
最も多くの企業様が良かった点として挙げたのは「トラブルの早期対処ができるようになった(118社)」でした。
日頃から自社のビジネスや状況を把握している顧問弁護士だからこそ、問題が発生した際の初動対応を迅速かつ的確に行うことができます。
その他の回答で寄せられた「とにかくレスポンスが早い」という声や、「トラブル対応時の弁護士が頼もしく、最強の味方を得た気分です」といった感謝のコメントからも、いざという時の実務的な対応力が非常に高く評価されていることがわかります。
2. 心理的・環境的なメリット:「孤独な経営者の精神的支柱」
注目すべきは、2位「相談しやすい環境ができた(気軽に聞ける)(112社)」、3位「判断に迷うときの“セカンドオピニオン”が得られるようになった(80社)」、5位「経営者の精神的負担が軽くなった(72社)」といった、心理的なメリットが上位を占めている点です。
経営者は孤独な決断を迫られる場面が多く、「ちょっと迷ったときに、法的な観点から気軽に相談できる専門家が身近にいる」という安心感こそが、顧問契約の最大の価値であると言えます。
その他の回答にある「仕事に集中できる」という声も、法務リスクの不安から解放され、本来の経営に専念できるようになった結果と考察できます。
3. 組織全体への波及効果:「外部窓口の設置」と「法務レベルの向上」
経営者個人のメリットにとどまらず、「社員・管理職が相談できる“外部の安心窓口”ができた(60社)」や「社内の法務レベルが上がった(知識・意識の向上)(37社)」といった回答も見られます。
これは、顧問弁護士の存在が、従業員が安心して働ける環境づくりや、組織全体のコンプライアンス意識の底上げにも直接的に寄与していることを示しています。
その他の回答から見えるもの
一方で、その他の回答には「気軽に聞くものではないという先入観があり、特に相談はしていません。」といったリアルな意見も寄せられています。 これは、弁護士側にとって重要な気づきとなります。
「もっと気軽にご相談いただいて問題ございません」という継続的なアナウンスを行うなど、企業様がよりサービスを活用しやすくなるための改善の余地があることがうかがえます。
顧問弁護士を契約した企業様は、いざという時の「実務的なトラブルシューティング(早期対処)」の効果を実感しつつ、それ以上に「いつでも相談できる最強の味方がいる安心感(精神的負担の軽減)」に大きな価値を感じていると考察できます。
前回の「重視したポイント」で「コミュニケーションのしやすさ」が上位にランクインしていたことを見事に裏付ける、納得感のある結果と言えます。
まとめ:顧問弁護士は「いざという時の用心棒」から「経営の伴走者」へ
今回のアンケート結果から、企業様が顧問弁護士に求めている役割が明確になりました。
もちろん、トラブル解決という伝統的な役割は重要です。しかしそれ以上に、「スピーディーな対応」「気軽な相談相手」「リスク予防策の提案」といった、日常的なビジネスを加速させるためのパートナーとしての役割が強く求められています。
当事務所では、今回のアンケート結果を真摯に受け止め、皆様のビジネスを法務面から力強くサポートできるよう、圧倒的なスピード感と親身なコミュニケーションを大切にしてまいります。
「自社にも顧問弁護士が必要かもしれない」とお考えの経営者様は、ぜひ一度、当事務所の初回無料相談をご利用ください。
監修者
弁護士法人グレイス企業法務部
- 本店所在地
- 〒105-0012 東京都港区芝大門1丁目1-35 サンセルモ大門ビル4階
- 連絡先
- [代表電話] 03-6432-9783
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